女性の誰もが憧れる「くびれ」のあるウエストライン。それを作っているのがわき腹にある腹斜筋群です。
今回は、ウエスト周りを引き締める腹斜筋について解説していきます。上手に鍛えて理想のボディラインを手に入れましょう。
目次
腹斜筋とは、場所や作用
腹斜筋とは
腹斜筋とは、腹直筋や腹横筋と共に「腹筋群」と称され、身体の側面、脇腹のあたりにつく筋肉です。腹直筋や腹横筋が、肋骨から骨盤にまっすぐ走行するのに対し、腹斜筋は、肋骨の後方から骨盤の前方に向けて、捻じれるように走行します。
腹斜筋のどこにある?
腹斜筋のどこにある?
腹斜筋は、「外腹斜筋」と「内腹斜筋」の2種類に区別されます。
外腹斜筋は、脇腹の浅層、皮膚の真下にあり簡単に手で触れることができます。しかし、内腹斜筋は外腹斜筋の深層にあるため、手で触れて筋肉を区別するのは難しく、専門的な知識や技術を必要とします。また、体幹の深層にある外腹斜筋は、強い力を発揮する「アウターマッスル」としての役割を持つため、筋肉が分厚く弾力があります。それに対し、内腹斜筋は力が弱く、持久力に特化した「インナーマッスル」としての役割を担っています。そのため、外腹斜筋と比較して筋腹は薄く、弾力の少ない構造となっています。
腹斜筋の作用とは?
腹斜筋が活動すると、体幹が捻じれるように動きます。日常生活では、寝返りや振り返りなど、上半身を捻るような動作で活動が高まります。また、スポーツでは野球やバレーなど、上半身を捻る動作の多い競技や、サッカーなどの下半身を大きく捻る動作の時にも、外腹斜筋が活発に活動しています。外腹斜筋のトレーニングは、スポーツ競技におけるパフォーマンスの向上に直結する、とても重要な要素です。
外腹斜筋が、スポーツ競技など力や速さの求められる運動に必要なのに対し、内腹斜筋は姿勢の保持といった、動きの小さい運動で重要となります。
脇腹から体幹の前面まで、広い範囲で存在する内腹斜筋は、体幹コルセットのような役割を担っています。そのため、内腹斜筋の活動が高まると、骨盤が起き上がり、背筋が伸び姿勢が安定します。内腹斜筋が姿勢安定のために活動することで、体幹の後面にある背筋群の負担が軽減され、腰痛などの身体の不調改善にもつながります。
内腹斜筋は体幹の深部、内臓と密着した位置に存在します。そのため、内腹斜筋が活動すると、重力により垂れ下がった内臓を持ち上げ、元の場所に矯正してくれます。これにより、内臓活動が活性化し、基礎代謝や脂肪燃焼効率の向上など、ダイエットに嬉しい効果が期待できます。ウォーキングやランニングといった有酸素運動を挑戦しようと考えている皆さん、内腹斜筋トレーニングを一緒に行うことでダイエット効果は格段にアップしますよ。
腹斜筋を鍛えるとくびれができやすくなる理由
身体の前面にある腹筋群は、トレーニングすることでウエストの引き締まり効果が期待できると、注目されている部位です。その中でも、腹斜筋は「くびれ」を作る筋肉と知られており、いかに効率よく腹斜筋を活動させていくか、世の女性が試行錯誤している課題です。
それでは、なぜ腹斜筋群を鍛えるとウエストの「くびれ」ができやすくなるのでしょうか?
ここでは、腹斜筋の作用と走行から「くびれ」ができやすくなる理由を徹底解明していきます。
腹斜筋を鍛えるとくびれができやすくなる理由 コルセットのような作用を持つため!
腹斜筋群は、肋骨の後方から骨盤の前方に走行し、脇腹からぐるっとウエストを取り囲むように存在します。そのため、腹斜筋群が鍛えられることで、コルセットの紐をきつく結んだ時のようにウエスト周りが圧迫され、引き締まります。ウエスト周りが引き締まることで、世の女性が憧れる「くびれ」のあるスラっとしたボディラインを手に入れることができるのです。
腹斜筋を鍛えるとくびれができやすくなる理由 脇腹の脂肪が燃焼される!
「筋トレや運動を頑張っているのに脇腹の脂肪が落ちづらい!」と悩んでいる人も多いでしょう。腹筋といえば、シックスパックを作る腹直筋が有名ですが、そればかり鍛えていてもくびれのあるウエストには近づけません。くびれを手に入れるためには、脇腹につく腹斜筋群を意識して運動していくことが重要です。
腹斜筋を鍛えるには、一般的な上体起こし(クランチ)だけでは効率が良くありません。サイドクランチや、ツイストクランチといった身体を大きく捻る運動は、腹斜筋を鍛えるのに最適なエクササイズです。腹斜筋が活動することで、脇腹の脂肪がエネルギー源として使われ、段々と引き締まり、ウエスト周りにくびれが出てくるでしょう。
腹斜筋を鍛えるとくびれができやすくなる理由 内臓活動が整えられる!
お腹周りに脂肪が溜まり垂れ下がってしまった、いわゆる「肥満」体系の方々。お腹のたるみの原因が、身体の表面に溜まった皮下脂肪だけだと思っていませんか?しかし、それは間違いです。
身体に蓄積される脂肪は、皮膚や筋肉などの間に溜まる「皮下脂肪」と、内臓に溜まる「内臓脂肪」に区別されます。表面にあり、意識しやすい皮下脂肪が問題視されがちですが、本当に厄介なのは、その深くにある内臓脂肪です。基本的に、脂肪は筋肉が活動する際にエネルギーとして使われ、燃焼されます。しかし、内臓の周りには活発に働く大きな筋肉は存在しません。そのため、内臓脂肪は皮下脂肪より燃焼されづらく、一度つくとなかなか落ちてくれない天敵です。また、内臓に脂肪が溜まり重くなると、重力に負けて垂れ下がってしまい、脇腹のたるみの原因になってしまいます。
内臓の近くに存在する内腹斜筋は、鍛えることで内臓を持ち上げ、元の位置へ矯正してくれます。これにより、内臓の活動が活性化され、基礎代謝の向上につながります。基礎代謝が向上することで、生活しているだけで脂肪が燃焼される「痩せやすい身体」へと生まれ変わっていきます。
くびれ作りについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
【フラフープダイエットに関する参考記事】
マシンを使った高負荷筋トレでの腹斜筋の鍛え方5選
続いて、マシンを使って腹斜筋に負荷を加えながら行うトレーニングを紹介します。
マシントレーニングは、鍛えたい部位を効率よく鍛えるだけでなく、負荷を与えることで運動の方向を正しく導いてくれるメリットもあります。腹斜筋トレーニングは、日常生活ではあまり行われない身体の「捻り」動作を基本としたエクササイズのため、筋トレ初心者の方は上手に腹斜筋に負荷を与えることが難しいかもしれません。マシントレーニングは、負荷の加わる方向へ運動することでしっかりと腹斜筋を活動させることができるので、運動のエラーが少なくおすすめです。
マシンを使った腹斜筋トレーニング1 ロータリートルソー
・やり方
1、マシンの設定ポジションを決めます。(右回りor左回り)
2、マシンの負荷量を設定します。
3、座面に腰かけ、パッドを身体に密着させます。
4、上半身を180°捻ります。
5、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
6、(4)~(5)を10回行い、左右を交代します。
上半身を捻ることで腹斜筋をトレーニングできるロータリートルソーです。大きくゆっくりとした運動を意識し、上半身は180°しっかりと捻りましょう。身体を捻るときに、上半身を軽く曲げることで、腹直筋や腹横筋といった腹筋群全体のトレーニング効果も期待できます。
運動中は、腹筋に力が入っていることを意識しましょう。腰や背中に力が入ってるように感じるときは、姿勢や方向が間違えている可能性があります。そのまま続けると、腰痛などのケガに発展することがあるので、一旦運動を中止し、やり方を再確認しましょう。
【腹斜筋トレーニングに関する参考記事】
マシンを使った腹斜筋トレーニング2 トーソーローテーション
・やり方
1、マシンの運動方向を設定します。(右回りor左回り)
2、マシンの重量を設定し、座面に膝立ちの状態で乗ります。
3、固定レバーを両手で握り、パッドを胸に固定します。
4、下半身を180°捻ります。
5、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
6、(4)~(5)を10回行い、左右を交代します。
先ほど紹介したロータリートルソーと異なり、「下半身」を捻ることで腹斜筋をトレーニングするトーソーローテーションです。ロータリートルソーが腹斜筋の上部、トーソーローテーションが下部を鍛えるのに有効なため、両方の運動を行うことがおすすめです。
トーソーローテーションを行う際は、胸パッドがズレないように注意しましょう。胸パッドがズレ、体幹が不安定になってしまうと、効率よく腹斜筋をトレーニングできないのに加え、腰や背中の筋肉が過剰に活動し、ケガに発展する恐れがあります。
どちらも、正しい方法で行えば、安全かつ効率的に腹斜筋を鍛えることができるエクササイズなのでおすすめです。
マシンを使った腹斜筋トレーニング3 ベンチサイドベント
・やり方
1、トレーニングベンチの傾斜を設定します。
2、ベンチに横になり、あしと太ももを固定します。
3、天井側の手を頭に当て、身体を床方向へ下ろします。
4、天井に向かって身体を起こします。
5、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
6、(3)~(5)を10回繰り返し、左右を交代します。
トレーニングベンチを使った腹斜筋トレーニング、ベンチサイドベントです。トレーニングベンチを使い傾斜をつけることで、運動範囲が広がり、高負荷でのトレーニングが可能になります。
ベンチトレーニングの際は、大きくゆっくりとした運動を意識しましょう。特に、身体を戻す際、早く運動を行うと重力により加速度が加わり、負荷が過剰になってしまいます。安全にトレーニングするためにも、正しいやり方を理解して運動に臨みましょう。
マシンを使った腹斜筋トレーニング4 アブコースター
・やり方
1、マシンの負荷量を設定します。(重錘式orコンピュータ式)
2、膝立ちでマシンに乗り、姿勢を正します。
3、腹筋の活動を意識しながら、両足を引き上げます。
4、ゆっくりと元の状態に戻ります。
5、(3)~(4)を10回繰り返します。
アブコースターは、あしを体幹へ引き付けることで腹筋全体を鍛えることができるマシンです。導入されている施設は、あまり多くありませんがトレーニングしずらい下腹部の腹筋を効率よく鍛えることができるのでおすすめです。
マシンを使った腹斜筋トレーニング5 ケーブルトレーニング
・やり方
1、マシンの負荷量を設定します。
2、片方の手でケーブルの握り部分を持ちます。
3、身体を捻りながら、ケーブルを斜め下方向に引っ張ります。
4、ゆっくりと元の状態に戻ります。
5、(3)~(4)を10回繰り返し、元の状態に戻ります。
ケーブルを使った腹斜筋トレーニングです。腕ではなく身体全体を捻る力でケーブルを引っ張るように意識しましょう。ケーブルは戻る力が非常に強いため、勢いが付き過ぎないように注意して運動しましょう。
ダンベルを使ったトレーニングで腹斜筋を鍛える方法5選
「筋肉を鍛えたいけどマシントレーニングは大変そう…」と悩んでいる人も多いでしょう。確かに、マシントレーニングは負荷量も大きく、運動も制限されるため筋トレメニューの中では少し熟練が必要な部類のエクササイズです。
もっと気楽にトレーニングがしたいという方には、ダンベルを使ったトレーニングがおすすめです。ダンベルトレーニングは、マシントレーニングのように運動方向の制限がなく、自分の好きな動きに負荷をかけて運動できます。
自分好みの運動で楽しく筋トレができるダンベルトレーニング。是非、挑戦してみましょう。
ここでは、腹斜筋を効率よく鍛えられるダンベルトレーニングのメニューを一部紹介していきます。
ダンベルを使って腹斜筋を鍛える方法1 ダンベルサイドベント
・やり方
1、片手にダンベルを持ち、あしを肩幅に開いた状態で立ちます。
2、姿勢を正した状態で、ダンベルを床に下ろすように身体を倒します。
3、ゆっくりと元の状態に戻します。
4、(2)~(3)を10回繰り返し、左右を交代します。
体幹を左右に倒す運動で腹斜筋を鍛えるダンベルサイドベントです。ダンベルを持つ手は、床に垂直になるようキープして運動を行いましょう。ダンベルを持つ手が身体から離れたり、前後にブレたりすると肩や腰を痛める原因となります。また、運動中は脚を肩幅に広げることで、左右への安定性が確保され正確にエクササイズを行うことができますい。
ダンベルトレーニング負荷量は、ギリギリ10回運動が可能な重さに設定しましょう。負荷量が強すぎると腰痛などのケガの原因になりやすく、逆に、負荷量が小さすぎると効率的に筋トレの効果を得ることができません。自分に合った負荷量で、安全かつ効率的に腹斜筋を鍛えていきましょう。
ダンベルを使って腹斜筋を鍛える方法2 ダンベルツイスト
・やり方
1、仰向けになり、両ひざを90°に曲げます。
2、胸の前で、両手でダンベルを持ちます。
3、上半身を起こし、ダンベルを左右に移動させます。
4、(3)の運動を20回繰り返します。
上体起こし(クランチ)の状態でダンベルを左右に振るダンベルツイストです。運動中は、上半身が左右にブレないように意識することで、正確に腹斜筋を活動させることができます。
ダンベルツイストのように、上体起こし(クランチ)の姿勢を基本とする運動は、お腹にシワができるように意識しましょう。腹筋群の活動が高まり、筋トレ効率がアップするだけでなく、腰や背中の筋肉の活動を抑制し、腰痛などのケガ予防にも有効です。
トレーニングに慣れてきたら、徐々に胸とダンベルの位置を離していきましょう。胸とダンベルの位置が遠くなるほど負荷量が大きくなり、筋トレ効率が高まりますよ。
ダンベルを使って腹斜筋を鍛える方法3 ダンベルサイドクランチ
・やり方
1、仰向けになり、両ひざを90°に曲げます。
2、片手でダンベルを持ち、反対のうでは肘を伸ばし床に置きます。
3、ダンベルを持った手を天井に向かって持ち上げます。
4、上半身の捻りを使って、ダンベルを持った手を天井に突き上げます。
5、ゆっくりと(3)の姿勢に戻ります。
6、(4)~(5)を10回繰り返し、左右を交代します。
ダンベルサイドクランチは、肩だけでなく上半身全体の捻りを使ってダンベルを突き上げることがポイントです。腹斜筋がしっかり活動していることを確認しながら運動を行っていきましょう。
【サイドクランチに関する参考記事】
ダンベルを使って腹斜筋を鍛える方法4 ダンベルローイング
・やり方
1、トレーニングベンチに片手と片ひざを着きます。
2、反対のあしは肩幅に広げ床を捉え、手でダンベルを握ります。
3、天井に向かって肘を引きながらダンベルを持ち上げます。
4、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
5、(3)~(4)を10回繰り返し、左右を交代します。
ダンベルを後方に引く動作で、腹斜筋と広背筋を鍛えることのできるダンベルローイングです。運動中、体幹は床と水平になるように意識することで、腹斜筋が常に活動し続けます。
ダンベルローイングを行うときは、両足と片手の3点支持の姿勢を意識し、それぞれに同じだけ体重がかかるようにしましょう。体重のかかる場所が偏ると、バランスを崩しトレーニング効果が半減してしまうことや、腰痛などのケガに繋がる可能性があります。
【ローイングに関する参考記事】
ダンベルを使って腹斜筋を鍛える方法5 レッグアップツイスト
・やり方
1、仰向けになり、両ひざを90°に曲げます。
2、ダンベルを両手に持ち、胸の前でキープします。
3、上半身とあしを持ち上げ、お尻だけで体重を支持します。
4、上半身を左右に20回捻ります。
レッグアップツイストは、上半身と下半身の捻り運動により腹斜筋を効率的にトレーニングすることができます。下半身を持ち上げることで、日常生活では働きづらい腹筋の下部を鍛えることができ、腹筋全体のバランスを整えるのに最適なエクササイズです。
女性におすすめの自重筋トレで負荷の少ない腹斜筋の鍛え方5選
「ジムに通わず、自宅で気軽にトレーニングがしたい!」、「筋トレ初心者だからきつい運動はちょっと…」と、ゆっくり自分のペースで筋トレを始めたいと考える方は多いと思います。
筋トレやダイエットで最も重要なことは、「効果が出ることを信じ、継続する!」ことです。無理せず、自分に合った負荷のトレーニングを選択することがダイエットの近道です。
また、腹斜筋群の中でも、インナーマッスルである内腹斜筋は負荷量の小さい運動でも積極的に活動してきます。そのため、マシンやダンベルトレーニングといった高負荷トレーニングよりも自重トレーニングのような低負荷な運動の方が、内腹斜筋のトレーニングには有効です。
内腹斜筋を鍛えることで、ウエスト周りの引き締まりはもちろん、内臓機能の正常化や基礎代謝の向上など、ダイエットを後押ししてくれる効果が期待できます。自重トレーニングで効率よく内腹斜筋を鍛え、理想の身体を手に入れましょう。
自重で腹斜筋を鍛える方法1 サイドクランチ
・やり方
1、仰向けになり、片方の手を頭に添えます。
2、頭に添えた手と同じ側のあしを、反対側に移動させます。
3、おへそを覗き込むように身体を起き上がらせます。
4、ゆっくりと身体を下ろします。
5、(3)~(4)を10回繰り返し、左右を交代します。
下半身を捻った状態で上体起こし(クランチ)を行うことで、腹斜筋を鍛えられるサイドクランチです。骨盤は横向きにし、胸は天井を向くように意識することで身体の捻じりが大きくなり、腹斜筋をしっかりと活動させることができます。
サイドクランチを行うときは、お腹にシワができるように意識しましょう。お腹のシワが腹筋が活動している証拠になります。逆に、背中や腰に違和感のある場合は、一旦運動を中止して、正しいやり方をもう一度確認してみましょう。
【サイドクランチに関する参考記事】
自重で腹斜筋を鍛える方法2 バイシクルクランチ
・やり方
1、両ひざを90°に曲げた状態で仰向けになります。
2、膝を曲げた状態で、太ももを持ち上げます。
3、両手を頭に添え、上半身を起こします。
4、両ひざは、空中で自転車を漕ぐイメージで動かします。
5、あしの動きに合わせ、ひざと反対側のひじを近付けるように身体を捻ります。
6、(4)~(5)を20秒繰り返します。
空中で自転車を漕ぐように足を動かすバイシクルクランチです。あしを動かすだけでも、腹斜筋や腹直筋といった腹筋群をトレーニングすることができますが、上半身の捻り運動を加えることで、より効率的に腹斜筋を鍛えることができます。
自重で腹斜筋を鍛える方法3 ロシアンツイスト
・やり方
1、両ひざを90°に曲げた状態で仰向けになります。
2、両手を胸の前で組み、天井へ突き上げます。
3、上半身と両脚を持ち上げ、お尻で体重を支持します。
4、上半身を左右に20回捻ります。
上半身と両脚を浮かせた状態で捻り運動を行うロシアンツイストです。身体を捻るときは、腕だけの運動にならないように、しっかりと胸が横を向くように意識して行うことで、腹斜筋を効率よくトレーニングすることができます。
ロシアンツイストは、負荷量が大きいトレーニングのため、ツイストクランチやバイシクルクランチでしっかりと「基礎固め」をしてから挑戦してみましょう。
自重で腹斜筋を鍛える方法4 レッグアップツイスト
・やり方
1、膝を90°に曲げた状態で仰向けになります。
2、両手は大きく横に開き、太ももを持ち上げます。
3、太ももを左右交互に20回倒します。
下半身を捻ることで腹斜筋を鍛えることができるレッグアップツイストです。両手を大きく開き、上半身を安定させることで腹斜筋のトレーニング効率が高まります。
運動中は、腰が反らないように、背中を床に押し付けるように意識することで、腰痛などのケガ予防につながります。
自重で腹斜筋を鍛える方法5 サイドプランク
・やり方
1、横になり、ひじを着いて上半身を起き上がらせます。
2、お尻を天井に向かって突き上げ、片側のひじと足で体重を支持します。
3、頭と足が一直線になるように意識し30秒キープします。
サイドプランクは、横向きの状態で身体を浮かす(肘と足だけで体重を支持する)ことで腹斜筋を鍛えることのできるトレーニングです。あしから頭まで、一直線になるように意識することで、腹斜筋や背筋といった体幹の筋肉をトレーニングすることができます。
【プランクに関する参考記事】
腹筋ローラーを使って腹斜筋を鍛える方法
腹筋を鍛えるのにとても有効といわれる「腹筋ローラー」というトレーニンググッズがあります。しかし、筋トレ効果が高いと言われているにも関わらず、実践している人はあまり多くはありません。その理由は単純です。腹筋ローラーでのトレーニングは、習得するのが難しく、負荷量がとても大きいからです。
そんな、習得の難しい腹筋ローラートレーニングですが、実際にやり方をマスターすることで、とても効率的に腹筋群を鍛えることができます。是非、挑戦してみてください。
腹筋ローラーを使って腹斜筋を鍛える方法
・やり方
1、両ひざを床について、膝立ちの姿勢になります。
2、両手で腹筋ローラーを持ち、床に押し付けます。
3、膝は肩幅に開き、安定性を高めます。
4、おへそを前に突き出すようにローラーを前進させます。
5、身体が伸びきる限界まで前進させ、元の姿勢に戻ります。
6、(4)~(5)を10回繰り返します。
腹筋ローラーを前後に転がすトレーニングです。腹斜筋や腹直筋といった腹筋全体のトレーニングに有効です。運動中は腰が反り過ぎないように注意しましょう。腰が反り過ぎると、腰痛などのケガの原因になります。正しい方法で、安全かつ効率的に腹斜筋をトレーニングしていきましょう。
【腹筋のトレーニングに関する参考記事】
腹斜筋の筋肉痛の際に効果的なストレッチ5選
ここまで、腹斜筋を効率的にトレーニングできるエクササイズについてレクチャーしてきました。高負荷なものから、自重でのトレーニングまで。様々なバリエーションのトレーニングを紹介してきましたが、日常生活であまり活動していない腹斜筋にとっては、どれも大変な運動です。そのため、トレーニング翌日は高確率で筋肉痛に襲われるでしょう。
ダイエットで最も大切ことは、結果が出ると信じ継続していくことです。そのため、トレーニング後の筋肉痛は、運動のモチベーションを低下させやすく、ダイエットの継続を阻害する原因になりやすいです。
ダイエットを気軽に継続していくためにも、運動後のストレッチは入念に行いましょう。ストレッチは、運動で使われた筋肉をリラックスさせる効果があります。そのため、運動直後にゆっくりストレッチを行うことで、翌日の辛い筋肉痛を予防できます。また、ストレッチにより血管や神経の活動が活性化され、基礎代謝が高まるという研究成果も出ています。エクササイズのダイエット効率を高めるためにも、運動後のストレッチはしっかりと行いましょう。
腹斜筋の筋肉痛予防ストレッチ1
・やり方
1、うつ伏せの状態でスタンバイ。
2、脇を閉じた状態で、ひじを着き上半身を起き上がらせます。
3、天井を見上げるように頭を上げ、腹筋がストレッチされているのを確認します。
4、(3)の状態で20秒キープします。
うつ伏せになり、腰を反らすことで腹筋全体をストレッチできるエクササイズです。天井を見るように頭を上げることで、より強く腹筋をストレッチすることができます。慣れてきたら、手のひらで体重を支え、上体をさらに起こしてみましょう。腹筋のストレッチ効果がさらに高まります。
腹斜筋の筋肉痛予防ストレッチ2
・やり方
1、床や椅子に座り、姿勢を正します。
2、片方の手を天井に向けて持ち上げ、反対方向に身体を倒します。
3、(2)の姿勢を20秒キープし、反対側もストレッチします。
手を上げ、身体を倒すことで脇腹をストレッチできるエクササイズです。体幹が前後へ傾かないように意識して、しっかりと真横に倒しましょう。
腹斜筋だけでなく、大円筋や小円筋といった脇の下の筋肉をストレッチすることで五十肩などの方のケガ予防にも有効です。
腹斜筋の筋肉痛予防ストレッチ3
・やり方
1、四つ這いになり、両手と両ひざを肩幅に広げます。
2、片方の手を頭にあて、ひじが天井を向くように身体を捻ります。
3、(2)の姿勢を20秒キープし、反対側をストレッチします。
四つ這いの状態で上半身を捻り、腹斜筋をストレッチする方法です。運動中は、身体をゆっくり大きく動かすことを意識し、身体を捻った側と反対の腹斜筋がストレッチされていることを意識しましょう。
腹斜筋の筋肉痛予防ストレッチ4
・やり方
1、仰向けになり、両足を伸ばします。
2、片方のひざを90°に曲げ、反対側へ移動させ下半身を捻ります。
3、(2)の姿勢を20秒キープし、反対側もストレッチします。
下半身を捻ることで腹斜筋をストレッチする方法です。運動中は、下半身だけを捻り、上半身が天井を向いた状態でキープするように意識しましょう。
腹斜筋の筋肉痛予防ストレッチ5
・やり方
1、うつ伏せの状態でスタンバイ。
2、両手を着き、上半身を起き上がらせます。
3、片方のひざを前に出し、その方向に身体を捻ります。
4、(3)の姿勢を20秒キープし、反対側もストレッチします。
うつ伏せの状態で身体を捻り、腹斜筋をストレッチする方法です。運動中は、天井を見るように頭を持ち上げることで、腹斜筋のストレッチ感が増加します。
腰痛持ちの方は、痛みが悪化する可能性があるので注意しましょう。
腹斜筋を鍛えるときの注意点
ここまで、マシンやダンベルを使った高負荷トレーニングや自重でのトレーニングなど、様々なバリエーションで腹斜筋を鍛える方法をレクチャーしてきました。今回紹介したトレーニングは、正しいやり方で行うことで安全かつ効率的に腹斜筋を鍛えることができますが、方法を間違えると腰や肩などをケガしてしまう可能性があります。
健康のための運動で身体を壊してしまっては本末転倒です。安全で効率よくトレーニングを続けていくためにも、注意すべきポイントをしっかりと意識していきましょう。
腹斜筋を鍛えるときの注意点1 自分に合った負荷量で!
腹斜筋は、日常生活ではあまり使われないため、筋トレ初心者の方は上手にエクササイズをすることができないでしょう。そのため、始めから負荷を高めすぎると、姿勢が崩れトレーニング効果が半減してしまう事や、ケガに発展してしまう可能性があります。
高負荷トレーニングは、ぎりぎり10回運動が行える重さが最適な負荷量といわれています。無理せず、自分のペースでトレーニングしていくことがダイエットの近道ですよ。
腹斜筋を鍛えるときの注意点 勢いをつけ過ぎない
前後には良く動く体幹ですが、左右に捻る動作はあまり得意としていません。そのため、勢いをつけて無理に動かそうとすると、筋肉を傷めたり、腰痛やヘルニアなどのケガに繋がる可能性があります。
腹斜筋トレーニングは、呼吸を整えながらゆっくりと大きな運動を意識して行っていきましょう。
まとめ
今回は、くびれのある美しいウエストラインの必需品、「腹斜筋」について解説しました。
わき腹にある腹斜筋は、身体を「捻る」動作で活動し、鍛えることでウエスト周りの引き締まり効果が期待できます。また、インナーマッスルである内腹斜筋を上手に鍛えることができれば、垂れ下がっていた内臓の位置を整え、内臓活動が活性化されます。これにより、基礎代謝が高まり、生活しているだけで脂肪が燃焼される「痩せやすい身体」へと生まれ変わっていきます。
ボディメイクだけでなくダイエットとしても有効な腹斜筋トレーニング。皆さんも挑戦して、美しい身体を手に入れましょう。
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