ダイエットというと、たくさん種類があって何をやっていいかわからないという人も多いと思います。そこで「バランスボールダイエット」をご紹介します。大きなボールを使って、座ったり転がしたりするのですが、座っているだけで身体のいろいろな筋肉を使っていくので、効果が早いのが特徴です。しかし、いい姿勢で座っていないと、転がってしまうということもあり、小学校のイスとして使っている所もあるそうです。いい姿勢を身体に記憶させることがポイントになるダイエット方法です。早速始めてみましょう。
目次
バランスボールダイエットとは
バランスボールダイエットとは、大きなボールを使って、身体のいろいろな筋肉をトレーニングしていくダイエット方法です。不安定なボールに座ったりするだけでも、普段使わないような筋肉を刺激できるという効果的なダイエット方法です。使うボールですが、サイズがいろいろあり、直径が45、55、65、75センチあたりがよく使われています。選ぶ基準となるのが、ボールをイスの様にして座った時の股関節の角度です。だいたい90度くらいを維持できているようなボールの大きさを目安に選びます。股関節が曲がりすぎている場合、ボールが小さいという判断ができ、かなり股関節に負荷がかかります。股関節や膝などを痛めている方は特に、サイズ選びはしっかりと行いましょう。サイズとともに重要なのは、「空気圧」で、空気の入れ方次第でも座った時の股関節角度は変わってきますので、常にチェックするようにしましょう。
座って選ぶことができない場合などは、身長を目安にしていきます。身長が150センチくらいまでの方は、45、55センチサイズ。150~170センチくらいまでの方は、55、65センチサイズ。170センチ以上の方は、65、75センチサイズを目安にしてみましょう。
ボールが選べたら、まず座ってみましょう。ボールに座る時は、ボールの中心におしりを合わせて座るようにしていきます。ずれた所に座っていると、だんだんとボールが転がっていくため、空気穴などを目安に中心点を見つけて座ります。しっかりと床に足の裏を付けて、背筋を伸ばしてみましょう。最初は不安定なボールの上に座るということが難しく感じるかもしれませんが、左右の足の幅を開くと安定しますのでバランスの取れるポイントを身体で覚えていきましょう。「座る」という動作が基本となり、いい姿勢で座っていることが出来れば、それだけでお腹周りを始め身体全体の筋肉が使われていきます。これにプラスしてトレーニングをしていくことになるので、引き締まりがかなり期待できるダイエット方法です。
バランスボールダイエットのやり方
バランスボールダイエットのやり方として、ボールに座る、挟む、転がす、ボールの上に仰向け、うつ伏せになるなど、いろいろなパターンがあります。座るという動作ひとつとっても、筋肉をトレーニングするのか、ストレッチをするのかなど目的によって動きは様々です。更にトレーニングも、ボールの転がるという特性を利用して、少しずつ角度や強度が変えられるため、どのような体力レベルの方にも合わせられるというメリットがあります。
実際のメニューに当てはめて、説明していきます。
座りながら歩いてみる
ボールに座って、背筋を伸ばしてみましょう。その姿勢を維持しながら歩くように足を交互に持ち上げてみます。腕もしっかり振るのですが、もしボールがグラグラして怖いという方は、ボールを軽く抑えながら足だけ動かしてみましょう。足を上げた時に背中が丸まらないように、いい姿勢を維持します。これは足を持ち上げる筋肉を中心としたトレーニングになるのですが、足を持ち上げる筋肉は、日常生活の中で階段を上らない人は弱くなりやすく、腰痛の原因になるともいわれています。よくつまづくという人も、この筋肉が弱くなっているかもしれません。この動作を5分くらい続けてみて、疲れてくる場所が、いい姿勢で歩く時のウィークポイントと言えます。
これは、筋肉のトレーニングだけでなく、転ばないように身体を維持するバランス感覚も養われます。足を動かす早さを、ゆっくりにしてみると更にバランス感覚がトレーニングできます。身体が左右にブレないように、注意しながら行いましょう。
ストレッチ
トレーニングだけでなく、ストレッチにも使えます。例えば、ボールに座った状態で、足を左右に大きく開き安定させます。左手をおしりの横のボールにつき、軽く抑えます。右手を天井の方に伸ばしながら少し左に身体を倒します。この状態でも右側の体側がストレッチされているのですが、余裕があれば上半身はそのままにして、ボールを少し右に転がします。そうすることでストレッチの強度がアップしていきます。呼吸を止めずに行い、気持ちよく筋肉が伸びている角度などを探しながらストレッチしていきます。
このようにボールを1センチだけ転がすことでも、筋肉に対しての刺激は代わります。この細かい調整が可能なところが、バランスボールの大きな特徴の一つですので、うまく調整しながら行ってみてください。
他のストレッチメニューについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
【股関節ストレッチに関する参考記事】
バランスボールダイエットの効果
体幹トレーニング
バランスボールダイエットの効果として代表的なものは、体幹部分の筋肉のトレーニングがしやすいということです。体幹の筋肉とは、身体のウエスト周りの筋肉で、お腹の筋肉だけでなく背中も含めて姿勢を維持するときに力を発揮している筋肉全体を指します。普段はなかなかトレーニングすることができない部分の筋肉も、不安定なボールに座ることで刺激することができ、いい姿勢を身体に思いださせることができます。また、姿勢の崩れからくる「ポッコリお腹」などにも、効果的です。なぜ、姿勢の崩れとポッコリお腹に関係があるのかというと、姿勢が崩れて猫背のような状態が続くと、筋肉がゆるんだお腹周りに脂肪が集まって来てしまうから、ポッコリお腹になってしまうのです。脂肪には動くという特性があります。ポッコリお腹を作らないために、もしくはポッコリお腹を卒業するためにも、体幹部分のトレーニングは必要で、バランスボールは体幹部分が意識しやすいので、初めての方にもおすすめのトレーニングと言えます。更にいい姿勢を維持することは、ポッコリお腹だけでなく、肩こりや、姿勢の悪さからくる腰痛の予防、改善などにも効果が期待できます。ダイエットへ向けてトレーニングをしながら、症状の改善ができるという部分もおすすめです。
血流促進
ボールに座って、なるべく上半身はいい姿勢を維持したまま、ボールを前後左右にゆっくりと転がしてみましょう。骨盤の周りの筋肉を動かすことができ、血流が促進され、便秘の改善や生理痛の軽減、冷えの解消など多くの効果が期待できます。最初はなかなか思うように動かせない人が多く、だんだんと慣れるにつれて、大きく動かすことができるようになります。それだけ普段動かしていない部分ということなのですが、大きく動かすことができるようになってくると、骨盤周りの筋肉の柔軟性もあがり、骨盤の歪みの改善・矯正や、骨盤の中にある骨盤底筋などのインナーマッスルの強化、血流の促進など、さまざまな効果が期待できます。特に、血流が上がることで内臓の温度や体温が上がり、基礎代謝も上がってきます。基礎代謝とは、寝ている間でも消費しているエネルギー量のことで、心臓を動かしたり、呼吸や体温を維持したりすることで使われるエネルギーです。体温が1度上がると、基礎代謝は12~13%上がります。内臓の温度が上がると、脂肪をエネルギーとして分解して痩せやすい身体になるのです。ダイエット目的としても大切ですが、女性の場合は体調を整えるという上でもとても重要なので、バランスボールは数え切れないほどの効果があるマルチなトレーニング器具と言えそうです。
バランスボールでお腹をダイエットする方法
ボールの中心部分に座ります。そこから、2~3歩前に歩いてボールが背中に当たるように転がしていきます。ボールに背中を付けるように、身体を後ろに倒していきます。滑らないように、足はしっかりと床に付けておきましょう。壁などに足を固定しても構いません。両手は頭の後ろに軽く添えてみましょう。この時点で既に腹筋に力が入っているのを感じられると思いますが、なるべく首や肩の力は抜いていきましょう。余裕があれば、ここから上半身を少し起こします。息を吐きながら、身体を持ち上げて、息を吸いながら身体を戻します。全体的にゆっくりと行いましょう。おへそでボールを押すようなイメージで行うと、身体がしっかりと丸まれます。回数は10回を目標にして、慣れてきたら回数を増やしたり、身体を持ち上げる角度を大きくしたり、斜めに上げたりなどアレンジを加えていきましょう。スタートの位置を、腹筋をしっかり伸ばした位置にすることでも、腹筋に対しての刺激が強まります。ボールがグラグラ揺れないようにしっかりとお腹に力を入れて固定します。手に力を入れすぎると首を痛めたりするので、首、肩、腕はリラックスし、腹筋をしっかり意識していきましょう。
お腹痩せについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
【お腹痩せに関する参考記事】
バランスボールで背中をダイエットする方法
ボールの上にうつぶせになります。胸からおへそのあたりが、ボールに乗っているような位置にセットし、両足を伸ばして、床にしっかりとつま先を付けて身体を安定させます。最初は両手をボールに置いて、上半身をゆっくりと起こしていきましょう。あごを引いて、頭を遠くに持ち上げるようなイメージで身体を起こすと、腰のあたりの筋肉を使っているのを感じられると思います。脊柱に沿って縦についている筋肉のトレーニングで、姿勢を維持するときには重要な筋肉の一つです。手は軽く添えている程度で、腰を反らせすぎないように気を付けましょう。息を吐きながら身体を持ち上げて、吸いながら戻しますが、背中のトレーニング時の呼吸は、胸が圧迫されるので、吸うと吐くが逆でも構いません。やりやすい方で、呼吸は止めないように行いましょう。慣れてきたら、動画の様に両手をボールから離して、親指を背中側に向けるようにして動かすことで、上背部の筋肉にも刺激を入れていきます。15~20回を目安に行いましょう。ボールの位置は、おへそや足に近づけば近づく程、きつさが増していきますので、微調節をしながら行いましょう。腰が痛い方など、無理をしないようにしていきます。
背中周りのトレーニング・背中痩せが得意なパーソナルトレーニングジムはこちら
バランスボールで下半身をダイエットする方法
床にあおむけに寝ます。手は身体の横の床に軽く置きます。バランスボールを両足で真横から挟むようにして、ゆっくりと持ち上げます。膝をしっかりと伸ばして、遠くにボールを
持ち上げているような感じで上げていきます。腰が反って浮かないように注意しましょう。斜め45度くらいを目安にして、足の位置を決めます。車のハンドルを操作しているようなイメージで左右に捻りを加えていきましょう。なるべくボールの位置は変えないように維持しながら捻ります。ボールをしっかりと挟みこみましょう。内ももと下腹のトレーニングです。
ボールが床に近いときつく、天井の方向にボールを持ち上げると少し楽になるのですが、ももの裏が硬い人などは、天井方向にあげることもきついかもしれませんので、ちょうど良い角度をやりながら調整してください。疲れてくると、腰が反りやすくなります。腰を痛める原因にもなりますので、しっかりと身体を床に押し込むようにしながら足を動かしましょう。20~30回くらいを2~3セットを目安に行います。呼吸を止めないようにして、使っている筋肉を意識しながら行いましょう。床についた手や、首、肩の力が抜けていることが、ポイントです。
下半身ダイエットについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
【下半身ダイエットに関する参考記事】
バランスボールで二の腕をダイエットする方法
床に正座で座り、身体の前にバランスボールを置きます。ボールに手を付いて、少しずつボールを転がしながら身体から遠ざけていきます。両肘をボールに付き、両手の指を組んで上半身を安定させます。体幹部にしっかりと力を入れ、頭から膝までが一直線になるところをスタートポジションにします。少しずつ肘でボールを前に転がしていき、身体から遠ざけ、肘でボールをひっかく様にして、スタートポジションまで戻すを繰り返します。背筋をしっかり伸ばし、体幹を安定させ、腰が落ち込んで反らないように注意しましょう。首が短くなっていると、肩に力が入りすぎているので、肩が上がって首が短くならないように肩甲骨を下げた状態も維持しましょう。余裕があれば、動画の様に足を伸ばして、床にしっかりとつま先を付いた状態で行っていきましょう。かなりきつめの種目になりますので、肩甲骨や二の腕の筋肉を使っているのが感じられるポジションを選びましょう。
二の腕にある上腕三頭筋は、肩甲骨から肘にかけて付いている筋肉なので、肘をしっかりと動かすことがポイントの一つになってきます。この種目の場合はダイナミックに動かせるものではないので、しっかりと使っている筋肉を感じながらトレーニングしていきましょう。
15~20回を2セットを目安に行います。
二の腕を細くする方法をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【二の腕痩せダイエット参考記事】
1週間で結果を出す!バランスボールを使ったダイエットメニュー
腹筋 上級編
腕立て伏せをするようなポジションになり、すねの下にボールが来るようにセットします。手をしっかりと床につき、足でボールを転がしながら、膝を胸に近づけていきます。膝をゆっくりと伸ばして、またスタートポジションまで戻るという動作を繰り返します。膝を伸ばした時に、腰が下に落ちないようにしっかりと体幹部に力を入れて、固定します。膝を曲げてくることで、腹筋を中心に刺激が入ります。20~30回を2~3セットを目安に行いましょう。慣れてきたら、体幹部分を左右にねじりながら膝を曲げ伸ばしします。
【腹筋のトレーニングに関する参考記事】
スクワット
腰のあたりにボールを当てて、壁に寄りかかります。身体から1足分くらい前に足を付き、膝を曲げて身体を下げていきます。足の裏全体で床を押して身体を持ち上げます。息を吸いながら下げ、吐きながら上がります。スクワットは脚全体のトレーニングではありますが、ももの裏とおしりの筋肉に特に刺激を入れたいので、スクワットをする前に、ももの裏
とおしりの筋肉を軽く叩いてからやってみましょう。叩いたことで筋肉を意識しやすくなりますので、意識を向けて行いましょう。20~30回を2~3セットを目安に行いましょう。
ヒップアップ
ボールの上にうつぶせになり、床に肘が付けられる位置に身体をセットします。床についた両肘と、体幹の筋肉で身体を固定して、おしりの筋肉をトレーニングしていきます。片足をつま先を下に向けた状態でゆっくりと持ち上げて、身体の延長線上まで来たら止めて、ゆっくりと戻します。息を吐きながら足を持ち上げて、吸いながら戻します。20~30回行ったら反対側の足に変えていきましょう。トータルで2~3セット行います。肩に力が入って、首が短くならないように、肩甲骨を下げながら行います。
動画では、いろいろな種目を紹介していますが、おしりの部分だけピックアップしました。
ヒップアップについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
【ヒップアップの参考記事】
バランスアップ
ボールの上に仰向けになります。肩甲骨のあたりにボールが来るようにセットします。両手を横に広げてスタートポジションを取ります。そこから少し身体を横にスライドさせて戻す。反対側にスライドさせて戻すという動きを繰り返します。体幹部に力を入れて安定させ頭からおしりまでが一直線になったまま、左右にスライドするように意識しましょう。身体がねじれないように注意します。ももの裏側や、おしりの力で、身体が流れて行ってしまわないようにキープします。まずは左右合計10回を目指して行い、慣れてきたら回数を増やしていきましょう。
バランスボールダイエットを成功に導く、トレーニング用アプリおすすめ3選
FiNC フィンク
一人一人に合ったメニューを、AIが紹介してくれるアプリです。ヘルシーな料理のレシピや、フィットネス動画などのコンテンツも充実しています。毎日の歩数を記録して、友達と競えるというゲーム性も兼ね備え、続けるということが難しい人におすすめのアプリです。バランスボールを使ったメニューは残念ながら掲載されていないのですが、ここで紹介したメニューに近いものをFiNCでやる際に、バランスボールを使ってみると、より効果が高まります。
Gohobee 女子の腹筋アプリ|マジめ運動ダイエット
スマホが、40秒間を測ってくれることと、腹筋の回数をかぞえてくれます。キレイなくびれを作りたいという女の子のための腹筋サポートアプリです。新しい週間が定着するには3週間くらいかかるということで、目標の3週間をこなすと、かわいキャラクターからアイコンやアバターがもらえます。
自宅でトレーニング! MY BODY MAKE
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自宅でできるトレーニングを収録したダイエットアプリです。有名パーソナルトレーナーが監修しています。自己流でやるよりはるかに、効率的で、動画を見ながらできるので、やりやすいという声多数。このアプリでも、バランスボールを扱っていないので、近い動作のメニューをバランスボールを使うものにアレンジして、トレーニングをしてみてください。
ダイエットにおすすめのアプリをさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
【ダイエットにおすすめのアプリ参考記事】
ミニバランスボールや半円バランスボールのダイエットメニューに適したトレーニング方法は?
大きなバランスボール以外のアイテムを使って、腹筋を中心としたトレーニングを紹介していきます。
ミニバランスボールを用意します。空気を入れるポイントは、パンパンになるまで入れずに少し潰れている位までにしておきます。そのボールを使って、トレーニングしてみましょう。仰向けに寝て膝を立てます。内ももにミニバランスボールを挟んだ状態で腹筋をしてみましょう。膝に近い位置よりもできるだけ足の付け根に近づけてしっかりと、ボールをはさみます。ボールがない状態で腹筋をやるよりも、内ももに力を入れることで、深い所にある腹筋などもトレーニングすることができるので、より効果的です。動画では更にいろいろなバリエーションを紹介してくれていますので、余裕があれば挑戦してみましょう。
半円バランスボールの「バランスドーム」を使ったトレーニングを紹介していきます。バランスドームの平らな部分を下に、ボールの部分を上にして置きます。ボールの中心部分よりも少し手前におしりを合わせて座ります。足を床についた状態で、身体を後ろに倒していき、肩が上がらないようにしながら、腹筋の動作を行います。これを基準にして、余裕があれば座る位置をボールの中心の方にずらしたり、足を床から浮かしたりしていくことで、きつさが上げられます。
まとめ
バランスボールは、丸い、転がるという特性を生かして、普段なかなか意識しづらい筋肉を意識することができたり、トレーニングができたりと、シンプルな外見からは想像できないくらいかなり使えるアイテムだということがおわかり頂けたのではないでしょうか。座っているだけでも、効果があり、更に、身体をほぐすストレッチにも使えるという万能なアイテム。是非生活の中に組み込んで、ダイエットだけでなく、健康的な身体をゲットしてくださいね。