近年、お尻や太もも裏側を鍛えるためのトレーニング方法はたくさん知られています。
いわゆる脚周りを鍛える脚トレ。
スクワットやランジ、デッドリフトなど重りを使うものから、自分の体重を負荷として扱う自体重トレーニングのヒップリフトなど、様々な種類の脚トレがあります。
しかし、ボディメイクなど、特定の部分に関して鍛えることが必要となる場合には、特定の動きを反復することが必要になります。
例えば、太もも裏側を鍛えるような運動はありますが、ピンポイントで太もも前側を鍛えることのできる脚トレの種類はそこまで多くありません。
今回は、ピンポイントで太もも前側の筋肉を鍛えることができ、脚の特に前側を引き締めることができる筋トレ方法をお伝えしていきます。
目次
レッグエクステンションとは
レッグエクステンションとは、太もも前側を鍛えることのできるマシンでのトレーニングになります。
もちろん、マシン以外でも鍛えることは可能となりますが、基本的にはマシンを使用して行う筋トレの方法になります。
椅子に座った状態で両足首を手前に引いてあるバーに引っ掛け、膝や股関節、腰周りが動かないように膝の曲げ伸ばしを行うトレーニングです。
膝の曲げ伸ばしを行うことによって、太もも前側の筋肉を使い、太もも前側を引き締めることができます。
太もも前側の筋肉は、基本的に膝を伸ばすような働きを持っていますので、膝を伸ばす運動であるレッグエクステンションは、太もも前側の筋肉を鍛えるために適切なトレーニングとなります。
よくウエイトトレーニングの一種として取り入れられます。
また、スクワットなどのトレーニング方法でも太もも前側を鍛えて引き締めることはできますが、スクワットのみでは太もも前側への負荷が足りなかったりする場合に、補助として使用することも可能です。
マシンを使ったレッグエクステンションは、重りを使った膝周りの運動になりますので、重さ、つまり負荷を自由に変えることができます。
よって、ご自身の体力や筋力にあったやり方で、適切に太もも前側への刺激を加えることができる筋トレになります。
レッグエクステンションの効果
レッグエクステンションの効果も様々なものがあります。
まずは、脚周りでも特に太もも前側の引き締め効果があります。
太もも前側の筋肉は、主に脚を前側に蹴り出したり、股関節を曲げる、そして、膝を伸ばすという働きが主です。
そのため、股関節を前に向かって曲げたり、膝を伸ばすような運動を行うことで、太もも前側の筋肉を鍛えることができます。
もちろん、筋肉を使ってしっかりとたんぱく質や糖質を補給することにより、筋肉がついてきます。
筋肉がつくということは、その筋肉の形にシルエットが変わることになりますので、太もも前側の筋肉を鍛えることで太もも前側が引き締まったシルエットになるということです。
また、レッグエクステンションで主に鍛えることのできる筋肉は、内側にも真ん中にも外側にも位置していますので、脚周り全体を引き締めることができるのです。
レッグエクステンションを行うことで、太もも前側を引き締めましょう。
そして、レッグエクステンションを行うことにより、膝周りの筋力アップに繋がりますので、膝の怪我の予防にもなります。
もちろん、レッグエクステンションで使われる太もも前側の筋肉が硬すぎることによって、腰や膝を怪我してしまう可能性もありますが、使えていないことによって膝を怪我してしまう可能性もあります。
引き締める以外にも、怪我の予防という効果もあるのですね。
レッグエクステンションで使う筋肉
太もも前側の筋肉といいましても、いくつかの種類に分類されます。
レッグエクステンションで主に鍛えることができる筋肉は、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)と呼ばれる筋肉です。
大腿四頭筋というくらいですので、4つの頭、4つの筋肉で構成されている筋肉になります。
大腿直筋(だいたいちょっきん)、外側広筋(がいそくこうきん)、内側広筋(ないそくこうきん)、中間広筋(ちゅうかんこうきん)の4つから構成されています。
大腿直筋は、骨盤の前側にある突起の部分から、膝蓋骨(しつがいこつ)と言われるお皿の部分の骨にかけてくっついています。
その他、外側広筋、内側広筋、中間広筋に関しましては、脚の大きな骨である大腿骨(だいたいこつ)から膝蓋骨にかけてくっついているのです。
大腿四頭筋は、脚や膝周り前側全体を覆っている筋肉になりますので、大腿四頭筋を鍛えることのできるレッグエクステンションを行うことで、太もも前側全体に筋肉をつけることが可能です。
ブヨブヨしたあまり筋肉の形の見えない状態より、引き締まった前ももの方が綺麗に見えますよね。
太もも裏側を鍛える筋トレも必要ですが、太もも前側を鍛えることも、美脚への第一歩と言えるでしょう。
レッグエクステンションを代用できるトレーニング3選
レッグエクステンションで使われる筋肉は、主に大腿四頭筋であることは上述の通りです。
では、レッグエクステンションでしか大腿四頭筋を鍛えることができないのかというと、そうではありません。
毎度、ジムに行ってマシンの順番を待って、としている時間がもったいないですよね。
できれば、ご自宅でも鍛えることができれば、効率の良い筋トレが行えることになり、その分だけ引き締めるまでの時間が短縮されます。
今回は、レッグエクステンションの代用となる3つの筋トレ方法についてお伝えしていきます。
スクワット
まずは、トレーニングとしては代表的なスクワットが、レッグエクステンションの代わりとなると考えられます。
上述の通り、レッグエクステンションは、太もも前側にあります大腿四頭筋などをメインとして鍛えていくトレーニング方法です。
スクワットの動作を考えた時に、スクワットでも脚を曲げた状態から素早く伸ばして立ち上がる動きのシーンがありますよね。
この場合に、大腿四頭筋が使われるのです。
また、反対に膝を曲げてお尻を地面に向かって下ろしていく際にも、大腿四頭筋は伸びながら使われています。
筋肉は縮むよりも伸びた状態の方が負荷は大きくかかりますので、その分だけ筋肉の成長を促すことができます。
スクワットのやり方としましては、まずお尻を後ろに引くようなイメージで腰を下ろしていきます。
この時に、膝頭がつま先と同じくらいかそれよりも1~2㎝前に出るようにしましょう。
基本的には、膝頭が前に出すぎることによって、膝周りへの負担が大きくなってしまい、ケガの原因となってしまいますので、膝が出すぎないように気を付けてください。
そのまま、膝をまっすぐに伸ばして立っていきましょう。
【スクワット参考記事】
レッグプレス
続いて、マシントレーニングの一種であるレッグプレスのご紹介です。
スクワットでの動作が難しいときに、レッグプレスの代わりとなる筋トレ方法となります。
こちらのレッグプレスもスクワット同様に、大腿四頭筋を鍛えることができるトレーニングです。
まずは、台の上に仰向けで寝ていきます。
しっかりと頭と腰周りを台の上につけたまま、両手で横にあるバーをつかんでいただきます。
両足を置く位置に関しましては、足を乗せる台の真ん中付近になりますが、脚の長さなどによって変えます。
しっかりと足の裏全体で台をまっすぐに押し、膝を伸ばしていきます。
ゆっくりと太もも前側の筋肉の伸びを感じながら、膝を曲げていきましょう。
マシンが「がしゃん」と音を立てないように、ゆっくりと丁寧に動作を行います。
また、注意点としましては、膝の伸ばしすぎです。
膝を伸ばし切りすぎますと、例えば関節が緩い女性の場合には、どうしても膝のケガにつながってしまう可能性があります。
伸ばし切りすぎず、ある程度膝を伸ばすようにしましょう。
【レッグプレス参考記事】
ブルガリアンスクワット
最後にご紹介するのがブルガリアンスクワットです。
通常のスクワットよりも負荷が大きくなり、大腿四頭筋への刺激は多くなります。
片足を台などに乗せた状態で、前側の脚に体重のほとんどをかけます。
しっかりと足裏全体で地面を踏みしめるようにスクワットを行っていきます。
膝が前に出すぎないこと、台に置いている脚には体重が乗らないことに気を付けて行いましょう。
【ブルガリアンスクワット参考記事】
レッグエクステンションは膝への負担が大きい?意識するべき3つのこと
レッグエクステンションでは、膝の曲げ伸ばしを行いますので、膝への負担が大きくなりやすいです。
そのため、膝のケガをしてしまう可能性もあります。
レッグエクステンションをより安全に行い、ケガをせずに太もも前側の筋肉を鍛えて引き締めるために意識していただきたいことを3つお伝えします。
膝を伸ばしすぎない
女性にはよくあることですが、膝を伸ばしすぎる方がいらっしゃいます。
特に、重りがほとんどない軽い負荷でマシンを使ってレッグエクステンションを行っている場合に多いように見受けられます。
膝の伸ばしすぎてしまいますと、その分だけ膝の前側にも後ろ側にも負担がかかってきてしまいます。
膝周りには、膝周りを安定させるためのいくつかの靱帯があるのですが、膝が伸び切りすぎてしまいますと、その分だけ靱帯も伸びてしまう可能性があります。
特に、普段からヒールなどをよく履かれる女性は気をつけなければなりません。
膝を伸ばしすぎる癖がついているためです。
靱帯は筋肉と違ってほとんど伸び縮みせずに、骨と骨の間で作られている関節を安定させる役割があります。
そして、靱帯は一度伸びてしまいますと、元に戻ることはありません。
代わりに、靱帯と同じ働きをするような筋肉をたくさん使えるようにしなければならないのです。
ケガの防止のためにも、膝の伸ばしすぎには注意しましょう。
股関節、膝、足首は一直線
よくつま先のみ外側を向けてしまったり、膝頭が外や内側を向いてしまう人がいらっしゃいます。
例えば、つま先が外側を向いたままの状態で行ってしまいますと、膝の内側の筋肉がダイレクトに引き伸ばされてしまいます。
膝の内側の筋肉は、階段を上ったり下りたりするときや、膝の曲げ伸ばしを行うときに、内側に膝を倒しすぎないために重要な筋肉になります。
伸びすぎた筋肉は使いづらくなってしまいますので、膝の曲げ伸ばしの時に膝が内側に入りすぎてしまい、外側にも内側にも大きな負担がかかってしまいます。
基本的には、股関節、膝と足首は一直線上を維持したままの状態で膝の曲げ伸ばしを行う必要があります。
これは、膝周りの関節に負担をかけないためです。
スクワットなどと同じような注意点になりますが、膝や股関節の運動になりますと、一直線が基本になってきます。
膝周りをケガしないためにも、一直線上であることを心がけましょう。
膝の位置を動かさない
負荷が大きすぎることによって、膝周りをたくさん動かしながら曲げ伸ばしを行ってしまう方がいらっしゃいます。
動かしながらというのは、前後に動かしてしまうということです。
これでは、膝の前にも大きなストレスがかかってしまいます。
膝周りを固定した状態で、膝の曲げ伸ばしを行うように気をつけましょう。
レッグエクステンションを行う際の重量の目安
レッグエクステンションを行うときに重要になるのが、負荷になります。
マシンで行うレッグエクステンションに関しましては、重りの重さが直接的な負荷になりますので、どれくらいの重りを使うかが大事になってきます。
さて、初心者で全く行って事のない方は、最も負荷の軽いものから扱ってみましょう。
適切に大腿四頭筋を鍛えるためにも、そして、安全に鍛えるためにも必ずフォームが崩れないように行うことが重要であるためです。
軽い負荷でできないのに、より重い負荷でできるとは思えません。
まずは、最も軽い負荷で膝が前後に動かないか、余計なところに力が入っていないか、股関節、膝、足首はまっすぐになっているかを確認した上で重量を決定していきます。
まずはフォームを確認していただき、問題なければ12回程度できる重量を見つけていきます。
最初は軽めの設定にしていただき、慣れてきましたら12回できるくらいの重量へと上げていきます。
基本的に筋肉を大きくしたいのであれば8~12回、細く引き締めたいのであれば15回程度できる負荷に設定しましょう。
15回程度できるような負荷をかけることで、筋肉の線維の中でも特に細い線維が発達しやすくなります。
しかし、15回程度行う前に、まずは10~12回程度行える負荷で実施する方が良いかもしれません。
レッグエクステンションと相性のいいヒップスラスト等のトレーニング
レッグエクステンションと相性の良いトレーニング方法もいくつかあります。
レッグエクステンションでは、太もも前側の筋肉をメインとして使いますので、太もも前側を引き締めることができます。
しかし、レッグエクステンションばかりを行ってしまうと、太もも前側ばかりが大きくなってしまい、太もも裏側の筋肉を使えなくなってしまいます。
大事なのは前後のバランスになりますので、前側のみではなく、後ろ側のハムストリングスなども鍛えなければならないということです。
ハムストリングスを鍛えるためにオススメのトレーニング方法は、ヒップスラストになります。
ジムでバーベルなどを股関節に置き、お尻を持ち上げるような筋トレ方法になります。
まずは、椅子やトレーニングベンチなどに背中を置き、体育座りをします。
膝速く90度前後に曲げたままの状態にしていただき、バーベルが股関節の付け根当たりに位置するようにしましょう。
体幹部分をまっすぐにしたままで、腹筋に軽く力を入れます。
両足の裏全体で床面を真下に押し、お尻を持ち上げていきます。
お尻を持ち上げていく範囲は、体幹部分が床面に対して平行になるまでにしましょう。
体幹部分をまっすぐに保ったままで元の姿勢に戻ります。
腰が反りすぎたり丸まったりしないことが注意点です。
マシンでレッグエクステンションをする方法
実際にレッグエクステンションを行う場合には、基本的にマシンで行うことがほとんどだと思います。
マシンで行う時のやり方と注意点についてお伝えします。
まずは、レッグエクステンションマシンに腰掛けます。
しっかりと、お尻、腰、背中と頭を後ろの背もたれにつけましょう。
基本的には、背もたれにもたれかかったままの状態で、上記の接している面が全て離れないように気をつけます。
両手で横にあるバーを持っていただき、膝を90度以上曲げた状態にしていただきます。
足首辺りを下にある引っ掛けるバーのようなものに引っ掛けていただき、準備はOKです。
腰が反ったり、お尻の位置がズレたりしないように気をつけながら、膝を伸ばしていきます。
完全に伸ばしきるのではなく、ある程度真っ直ぐに伸ばしていただくのが重要です。
マシンの反動を利用して素早く戻すのではなく、ゆっくりと大腿四頭筋の伸びを感じながら膝を曲げていきます。
曲げる場合にも90度以上曲げないようにしましょう。
曲げすぎてしまうことで、大腿四頭筋が伸びすぎてしまって怪我のリスクが増えます。
また、膝蓋骨と言われる膝のお皿にも大きな負担がかかってしまいます。
ほどよく伸ばしながら、再びゆっくりと伸ばしていきましょう。
また、上述のようにつま先の向きが外側を向いたりしないように、股関節、膝、足首は一直線上に位置するように気をつけましょう。
自宅でレッグエクステンションをする方法
レッグエクステンションを行うために、毎日ジムに通うこともなかなかの時間的な負担となってしまいます。
ご自宅で簡単にできるレッグエクステンションの方法がありましたら、そちらを実践していただければ毎日ジムに通う必要はなくなります。
もちろん、ジムのマシンを使ってレッグエクステンションを行うときよりは負荷が軽くなりますが、例えばジムに週2回行って、残りを自宅で行うようにできれば、体にかかる負担としてもそこまで大きくはならず、しっかりと筋肉を維持することは可能になります。
自宅でレッグエクステンションを行う場合には、チューブやバンドを利用するか、もしくは何もつけない状態で行います。
まずは、椅子などにチューブもしくはバンドを巻きつけます。
片方の足首にバンドを巻きつけ、両手で椅子を持ちましょう。
背骨をまっすぐにした状態で、なるべく体幹部分が崩れないように腹筋に軽く力を入れましょう。
上記の状態のままで、椅子に手をかけて膝をまっすぐに伸ばしていきます。
伸ばし切りには注意して、ゆっくりと膝を曲げて元の姿勢に戻していきましょう。
注意点としましては、膝の伸ばし切りのほかに、筋肉の伸び感や使っている感覚が抜けないようにすることです。
より効果的に引き締めるためには、常に筋肉に負荷をかけていた方が良いため、戻してきたときの膝の曲げすぎには注意です。
【自宅トレーニング参考記事】
レッグエクステンションで太ももの前を太くしないためのコツ
さて、レッグエクステンションでは、大腿四頭筋という太もも前側の筋肉を鍛えることができます。
しかし、鍛えすぎてしまうことによって、太もも前側の筋肉が過剰に発達してしまい、脚周りが太くなってしまう可能性があります。
そうならないためにも、まずは他のトレーニングと並行して行うことをオススメします。
例えば、太もも裏側にあるハムストリングスを鍛えるようなトレーニング方法を実施すること。
太もも前側にある大腿四頭筋に対して、太もも裏側にあるハムストリングスは全く逆の動きを行います。
そのため、例えば膝を手前に曲げたりするような動きを行うことで、ハムストリングスを鍛えることができるのですが、この動きを行って前後のバランスを整えておくことが重要です。
何事もバランスが大事になってきまして、前側と後ろ側を上手に鍛えておく必要があるのです。
また、人間は目に見える部分の方が筋肉は使いやすくなりますので、例えば前側にある大腿四頭筋は後ろ側にあるハムストリングスよりも使いやすい=発達しやすい傾向にあります。
そのため、前後のバランスを整えて太もも前側が太くならないようにするためには、ハムストリングスを鍛えるようなトレーニングの方を多めに行うことが大事になるでしょう。
是非、セット数などを変えてみてください。
まとめ
レッグエクステンションでは、太もも前側にある大腿四頭筋を鍛えることができます。
ボディメイクとして、太もも前側を引き締めることができるだけではなく、例えば階段の上り下りなどの日常動作でケガをしないための予防にもなります。
しかしながら、元々太もも前側は使いやすい方が多いため、過剰に発達してしまう可能性もあります。
太もも裏側の筋肉であるハムストリングスを使うヒップスラストのようなトレーニングと一緒に組み合わせて行ってみてください。
こちらの記事が参考になりましたら、シェアしていただけますと幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。