チンニングは日本では懸垂ともいわれ、体力測定などでも使われるトレーニングです。女性の場合、男性より筋力も弱いためチンニングが1回もできないという方も珍しくありません。
チンニングを取り入れると、背中のラインが整い、美しい後ろ姿を手に入れることができます。今回はチンニングに挑戦してみたいという方のために、チンニングの方法やコツを解説します。チンニングが出来るようになるまでの練習メニューも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
チンニングにチャレンジして、美しく引き締まった体を手に入れましょう。
目次
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チンニングとは?
まずはチンニングがどういったトレーニングなのかを解説していきます。
チンニングとはいわゆる懸垂
チンニングとはいわゆる懸垂のことで、腕や背中の力で自分の体を持ち上げる筋力トレーニングです。体育の授業では、体力測定の項目にもなっており、体の筋力を測るのにもぴったりな種目です。
女性は体力測定ではぶら下がった状態でキープするだけだったという方もいます。そのため人生で一度もチンニングをやったことがないという方もいるでしょう。
チンニングは効率的に背中の筋肉が鍛えられるため、トレーニングを行う方の中では男女問わず人気があります。
体重が負荷になる
チンニングは体より高い位置にあるバーを握って、体を持ち上げます。そのため体重が軽い方は負荷が軽く、体重が重い方は負荷も重くなります。そのため体が大きい方は筋力があっても、チンニングができないということもあるでしょう。
チンニングは小柄な方ほどやりやすいトレーニングです。しかし小柄な方が全員懸垂をできるわけではありません。ある程度筋力があり、体重も極端に多くない方が一番チンニングを成功させるのに向いています。
背中美人になりたい!チンニングはどこの筋肉に効果的?
チンニングでは上半身の背中側の筋肉を効率的に鍛えることができます。背中は自分からは見えませんが、他人の背中はよく見えます。背中を鍛えていると、男性からも女性からも魅力的に映るでしょう。
具体的にどこの筋肉に効果があるのか、詳しく見ていきましょう。
広背筋
広背筋は背中の下部から上腕に伸びている筋肉です。腕を後ろに引いたり、肩甲骨を下げる働きをする筋肉で、チンニングでは体を持ち上げる時やゆっくり下ろす時に使われます。
広背筋の外側はウエストラインを形成しています。広背筋が鍛えられていないと、いくら細くてもくびれのない寸胴な体型になりやすいです。女性らしいキュッとくびれたウエストラインを目指したい方は、広背筋をしっかり鍛えましょう。
また、広背筋は姿勢の保持にも関わりの深い筋肉です。猫背の方は広背筋を鍛えることで、姿勢改善効果を実感しやすいです。
僧帽筋
僧帽筋は頭蓋骨の下から腰にかけて、背骨を挟んで菱形に付いている筋肉です。男性でこの筋肉の上部が発達している方は、肩がなで肩になっていることもあります。
僧帽筋は肩甲骨を動かすのにとても関わりの深い筋肉です。チンニングでは、体を持ち上げて肩甲骨を寄せる動きの時に力を発揮します。
また、僧帽筋は肩こりにも関係性があります。肩が前に出たり背骨が曲がっていると、僧帽筋が強制的に伸ばされて疲労が蓄積します。蓄積された疲労は、やがて痛みとなって自覚することがあるでしょう。これが肩こりの原因の1つにもなっています。
大円筋
大円筋は広背筋の動きをサポートするインナーマッスルです。肩甲骨から上腕にかけて伸びている筋肉で、広背筋がスムーズに動くのに必要です。チンニングでは体をバーに近づける時に働いています。日常動作では物を引き寄せる時に、広背筋の補助役として働きます。
肩甲骨を内転させて、肩関節を伸展させる時に強い刺激を受けるため、チンニングやローイングといった腕を後ろに引くトレーニングです鍛えられます。
上腕二頭筋
上腕二頭筋は力こぶができる部分の筋肉です。主な働きは肘関節の屈曲で、チンニングでは肘を曲げながら体を持ち上げる時に使われます。日常生活では重い荷物を手で持ったり、物を引き寄せる時に上腕二頭筋を使います。
上腕二頭筋を効率的に鍛えるには、チンニングではなくダンベルカールやバーベルカールを実践することが多いです。チンニングの場合、上腕二頭筋はあくまでも補助的な役割をしています。
女性の場合、ほとんどの方が上腕二頭筋ではなく裏側の上腕三頭筋を鍛えたがります。これは上腕二頭筋が力こぶを作って逞しい腕にするというイメージがあるからです。しかしチンニングではフォームを守れば上腕二頭筋が大きくなりすぎることを防げます。
三角筋
三角筋は肩を覆うようにしてついている筋肉です。三角筋は前部・中部・後部に分けることができ、チンニングでは主に後部が使われます。三角筋後部の主な働きは肩関節の伸展と外旋です。日常生活では腕を後ろに伸ばす動作で三角筋後部が作用します。
三角筋を鍛えることで、女性も肩のラインに筋肉の境目の線が入りやすくなります。肩のラインをはっきりさせたくないという方は、あまり三角筋を意識してトレーニングしない方が良いでしょう。
なで肩にコンプレックスを抱えている方は、三角筋を鍛えることで肩がしっかりします。鞄がズレ落ちやすくて悩んでいるなら、三角筋を鍛えて損はないでしょう。
チンニングをする前に胸と背中をほぐしておこう
チンニングは、肩甲骨を寄せながら体を持ち上げるトレーニングです。そのため肩周りの筋肉が固まっていると余計な力が入り、正しいフォームで実践しにくくなります。
チンニングを行う前に、胸部や背中のストレッチを行うと自然と正しいフォームで動かしやすくなります。特におすすめなストレッチを3つ紹介しますので、トレーニング前に実践してみましょう。
また、普段からストレッチを取り入れておくことで、どんどん筋肉はほぐれやすくなります。習慣的に取り入れてみましょう。
壁を使ったストレッチ
壁を使って行うストレッチは、ちょっとした隙間時間にでも実践しやすいです。腕を後ろに伸ばす動きがありますので、肩が脱臼しやすい方や肩の前側に痛みがある時には避けておきましょう。
1.足を前後に大きく開いて壁の横に立ちます。
2.肩の高さに肘がくるようにし、肘を90度に曲げておきましょう。
3.手のひらと前腕で壁を捉えます。
4.息を吐きながら、上体を壁と反対側にひねります。
5.肩甲骨を背骨に寄せるように意識しましょう。
6.10秒キープしたら、反対側も繰り返します。
ストレッチ感を得にくい場合は、手の位置を少し後ろにします。逆にストレッチ感を感じすぎる場合は手を前側につきましょう。胸の前側の筋肉が伸びるので、猫背の改善にも効果的です。チンニングと組み合わせることで、より姿勢改善効果が期待できます。
タオルを使ったストレッチ
タオルを使ったストレッチは、肩こりの症状がある時にもおすすめです。僧帽筋と大胸筋をほぐせるので、チンニングの動きをスムーズにしてくれます。肩周りの柔軟性に自信がない方は、長めのタオルを利用すると良いでしょう。
1.タオルの両端を手で持ちます。
2.親指と人差し指の間の部分でタオルを持つようにしましょう。
3.タオルを持ったまま肘を曲げて腕を下げます。
4.肩甲骨を寄せてあげましょう。
5.しっかりと寄せたら再び腕を伸ばし、頭の上に戻しましょう。
タオルではなくチューブを使うと、トレーニングにもなります。
ストレッチポールを使ったストレッチ
ストレッチポールは使い方によって、全身のストレッチを叶える便利アイテムです。少し場所は取りますが、家庭に1本あるとボディコンディションを整えるのに役立ちます。肩こりや姿勢が気になる方は実践してみましょう。
1.ストレッチポールを横向きにします。
2.ポールの前に座りましょう。
3.ゆっくり体を倒し、バーの上に寝転びます。
4.ポールの上で体を動かして背中の筋肉をほぐしてあげましょう。
5.動きを止め、頭とお尻を床につきましょう。
チンニングの正しいフォーム
チンニングはシンプルな動きですので、初心者でも取り入れやすいです。実践した時には、使っている筋肉をしっかりと意識してあげましょう。
1.バーを両手で掴みます。
2.肘を曲げて肩甲骨を寄せていきましょう。
3.ゆっくりと肘を伸ばして、体を下ろします。
4.体を持ち上げる時に息を吐き、下ろす時に息を吸いましょう
注意したいポイントを細かく見ていきましょう。
順手でバーを握る
基本のチンニングでは、バーを順手で握ります。順手とは物を上から持つ時の形です。懸垂をする時には、逆手でバーを握る方もいます。しかし基本のチンニングでは、バーは順手で握りましょう。
順手でのチンニングは、うまく広背筋が使えるようになっています。逆手になると、腕の筋肉への負担が増えます。チンニングで背中を鍛えたいという方は、特に持ち方を注意しましょう。
バーを握る位置は肩幅より拳2つ分広く
バーを握る位置が変わると、力の入り方が変わります。バーを握る位置の幅が狭いほど上腕二頭筋の負担が大きくなり、バーを握る位置の幅が広いほど広背筋や大円筋に負担が大きくなります。
基本のチンニングでは肩幅より拳2つ分広い位置でバーを握ることで、背中の筋肉をバランスよく鍛えられるでしょう。しかし力の入り方は人によって多少異なります。基本の位置では背中に力が入りにくいという方は、手の幅を広くしてあげましょう。
広背筋を意識して背中で引く
筋力のない方はチンニングを行う際、どうしても腕の力だけで体を持ち上げようとしてしまいます。もちろん腕の力もある程度必要なのですが、基本のチンニングでは広背筋に意識を向けます。
『背中で引く』という表現は、チンニングだけでなくラットプルダウンやローイング系メニューなど、背中を鍛える筋トレでよく出るワードです。しかしトレーニング慣れしていない方であれば、背中で引くイメージを持ちにくいでしょう。特に反り腰の方や猫背の方は、背中の筋肉を意識しにくい傾向があります。
背中で引く感覚を掴むには、肘の角度を変えないで肩甲骨を寄せる動きを繰り返すのがおすすめです。斜め懸垂などで肘の角度を固定したチンニングを練習してみましょう。
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チンニングのトレーニングメニュー
女性はチンニングを1回も行えないという方も多いです。フィットネスジムにチンアシストというチンニングをサポートするマシンがあれば、簡単にチンニングの動きを行えます。
チンアシストが身近にない場合は、段階を踏んでチンニングの練習を行いましょう。ここでは、チンニングが出来るようになるまでのトレーニングメニューを紹介します。
斜め懸垂
チンニングのトレーニング方法でまず最初に勧めるのが、斜め懸垂です。斜め懸垂は鉄棒などの低いバーでも実践できるため、初心者でも実践しやすいでしょう。
斜め懸垂の場合、バーの位置が低ければ低いほど負荷が大きくなります。最初は胸の高さほどから始め、徐々に低くしてあげましょう。
1.肩幅より少し広い位置でバーを握ります。
2.体をバーの下に潜らせ、肩から足が一直線になるようにします。
3.肩甲骨を寄せながら、バーに胸を近づけましょう。
4.ゆっくり肘を伸ばしていきます。
5.何度か繰り返しましょう。
ぶら下がり
懸垂を行うのであれば、体を支え続ける腕力と握力が必要になります。手を頭の上に伸ばした状態で掴める高さのバーを用意して、ぶら下がってみましょう。バーは必ず安定性のあるものを使用してください。
バーにぶら下がることに慣れてきたら、軽く肘を曲げた状態をキープできるようにしましょう。肩がすくまないように注意しておきます。
ネガティブ動作のみのチンニング
ネガティブ動作とは、筋肉が伸ばされながら力を発揮する動きのことです。チンニングでは肘を曲げてバーに胸を寄せている状態から、体を下ろしていく動きがネガティブ動作です。ゆっくりと体を下ろしていくことで、懸垂で使う筋肉を鍛えることができます。
1.台の上に乗ってバーを握り、肘を曲げます。
2.ジャンプの勢いでバーと体を引き寄せます。
3.力を入れて重さに耐えながら、ゆっくりと体を下ろしていきましょう。
4.下まできたら再び台に登り、同じ動きを繰り返します。
慣れてきたらバーを引き寄せた状態を3秒キープしてから、肘を伸ばすようにしてみましょう。
チューブを使ったチンニング
チューブを使ったチンニングは、チューブがチンアシストのプレートの働きをしてくれます。チューブのサポートが強いほど、負荷が軽くなりますのでまずは硬いチューブを使って行いましょう。
チューブはバーに引っ掛けて使う場合と、台に引っ掛けて使う場合があります。チューブの長さやチンニングバーの構造によって使い分けましょう。
肩幅よりやや広くバーを握ります。
1.チューブに足を引っ掛けましょう。
2.肩甲骨を寄せながら、肘を曲げて胸をバーに近づけます。
3.ゆっくりと体を下ろしていきましょう。
プルアップ
プルアップは逆手で行う懸垂です。上腕二頭筋の力がつくため、順手のチンニングよりも体を引き寄せやすいです。腕の筋肉をよく使いますが、背中もしっかり意識しましょう。
1.肩の幅でバーを下から握ります。
2.腕と脇腹、背中に力を入れて体を持ち上げましょう。
3.ゆっくりと体を下ろします。
4.できるだけ回数を重ねましょう。
マシンを使ったトレーニング方法
フィットネスクラブによっては、チンニングをサポートしてくれるチンアシストというマシンがあります。チンアシストは下から体を押し上げてくれるので、自分の体重を支えられない方でもチンニングを実践できます。
ぶら下がり健康器のような形をした、サポートのないチンニング用の台を、チンニングマシンと呼ぶこともあります。ここでは、サポートをしてくれるチンアシストの使い方を紹介します。
1.ウエイトを設定します。
2.台に登ってバーを握りましょう。
3.サポートの台に膝をおきます。
4.台に体重をかけて下げましょう。
5.背中を意識しながら、バーに体を引き寄せます。
6.4と5を繰り返しましょう。
チンアシストは、デップスと併用していることもあります。ディップスは腰の高さのバーを握りますが、チンニングは頭の上にあるバーを握るようにしましょう。
負荷は体重−ウエイト
チンアシストは一般的なフィットネスマシンと違い、ウエイトプレートの枚数が多いほど負荷が軽くなります。他のマシンでプレート3枚ぐらいに設定している方が、チンアシストでも同じように上から3枚目で設定してしまうと、サポート力が足りません。
チンアシストの負荷は、自分の体重からウエイトに書いてある重さを引いた重量です。例えば体重50kgの人が40kgのウエイトを設定した場合、体にかかる負荷は10kgです。
体重より重いウエイトを設定すると、サポート台が下げられません。体重との差を考えながら負荷を設定しましょう。
膝の位置は肩の真下
サポート台に足を乗せた時に、正座になっている方をたまに見かけます。もちろん正座の状態でもチンアシストは使えるのですが、実際にチンニングを行う時に、正座の形になることはありません。
膝が後ろ過ぎるのも、腰が反ったような姿勢になるためおすすめできません。より実戦的に行うため、膝の位置は前でも後ろでもなく、肩の真下になるようにしましょう。
体を下ろす時はゆっくりと
チンアシストはサポートの力があるため、体を下ろす時にある程度台に体重をかけなければいけません。そのため勢いよく体を下ろす方が多いです。実際のチンニング技術を向上させるためには、ネガティブ動作は丁寧に行うのが正解です。
サポート力が強くてゆっくり体を下ろせない場合は、ウエイトを1段階少なくしてあげましょう。
自宅でのトレーニング方法
フィットネスクラブには通えないけど、チンニングにチャレンジしたいという方は、チンニング台やチンニングバーを用意しましょう。チンニング台やバーを設置する場所がないという方は、テーブルを使った方法もあります。
一般的な突っ張り棒や衣装をかけるための台は絶対に使用しないでください。バーが落ちたり壊れたりすると、大怪我に繋がります。自宅で行う場合は特に安全面には気をつけましょう。
チンニング台を用意する
チンニング台を用意すれば、自宅でも簡単にチンニングのトレーニングを実践できます。背もたれパッドや腕のパッドが付いているものを選ぶと、レッグレイズという腹筋を使う種目を行う際に便利です。
昔ブームになった、ぶら下がり健康器を使うときは注意が必要です。ぶら下がり健康器の中には、ぶら下がることだけに特化していてチンニングの動きに対応していないことがあります。台を支えている部分が細いものや、短いタイプはチンニングを行うと倒れてしまう可能性もあります。説明書を読んでチンニングに対応しているかをしっかりチェックしておきましょう。
チンニングバーを設置する
チンニングバーは壁や部屋の入り口部分などに取り付けられる突っ張り棒のような形をしているものと、ドアを開けた部分に引っ掛ける形をしているものがあります。
チンニングバーはチンニング台とは違い、あまり場所を取らないというメリットがあります。ただし設置できる場所は安定性のある場所でなければいけません。間違ってもタンスやカラーボックスなどの棚を使って設置しないようにしましょう。
チンニングバーは使っていない時に収納できるという気軽さもあります。ただし毎回設置する時には、しっかり固定されているかをチェックしましょう。
テーブルを使って斜め懸垂を行う
チンニング台やチンニングバーを設置する場所がないという方は、高さのあるテーブルの下に潜って斜め懸垂をやるという方法があります。テーブルを使う場合も、強度や安定性には十分注意しましょう。
軽いタイプのテーブルだと、斜め懸垂の動きに耐えられず倒れてしまうことがあります。ちょうどいい台がないという場合は、近くの公園などに出向いて鉄棒やぶら下がり台を使うことをおすすめします。
女性にオススメの負荷・回数は?
女性の多くは自重でのチンニングをこなすことができません。ここまではチンニングが出来るようにするためのトレーニング方法をお伝えしてきました。しかしシェイプアップのためにチンニングを行いたいという方はチンニングの練習ばかりだと飽きてしまいますよね。
自重の懸垂は出来なくてもいいけど、チンニングの効果を得たいという方はフィットネスクラブなどでチンアシストに挑戦しましょう。もちろん、いつかは自重の懸垂を行いたいという方にもチンアシストはおすすめです。
ここではチンアシストを行う場合の負荷設定や回数設定について紹介します。負荷や回数は実践する人の体力によって異なります。正しいフォームを意識できる負荷で調整しましょう。
筋力アップに必要な負荷と回数
筋力をつけて、自重でのチンニングを目指したいという方は高い負荷で行うのがおすすめです。サポートのウエイトを減らし、自重に近い重さで挑戦しましょう。1セット目2セット目は目標回数5〜10回です。チンニングは筋持久力も必要なため、3セット目はウエイトを重くして12回を目標に挑戦しましょう。
自重のチンニングは目指してないけど、健康維持のために筋力アップしたいという方もいます。健康維持のためなら目標回数は10回、セット数は2〜3セットです。セット間のインターバルは1〜1分半に設定しましょう。
シェイプアップに必要な負荷と回数
シェイプアップ目的の方は、筋肉量をある程度増やして代謝アップさせるのがおすすめです。目標回数は12〜15回で、セット数は3セットです。インターバルは1〜1分半にしましょう。
あまり負荷が軽すぎては効果が現れるのが遅くなってしまいます。効率的にトレーニングするためには、15回目がギリギリ反復できる重さに設定しましょう。
女性らしい細い筋肉を育てたいのであれば、高負荷でガンガン繰り返すより、少し負荷を下げて丁寧に行います。2秒で体を持ち上げて、4秒かけて下ろせるように意識してみましょう。
ダイエットに必要な負荷と回数
とにかく体重を落として痩せたいという方は、軽めの負荷で回数をこなすのがおすすめです。ウエイトは体重より5〜10kg軽く設定します。体重60kgの方はサポートのウエイトが50〜55kgになるようにしましょう。
目標回数は20回で、1分間のインターバルを挟んで3セット行います。設定した重さで3セットを行うのが辛い場合は、ウエイトを重くしてサポート力を高めてあげましょう。
チンニングと合わせて効果をあげるトレーニング
チンニングは広背筋を効率的に鍛えるトレーニングです。肩甲骨を寄せながら胸を張り、体をバーに寄せなくてはいけないため、トレーニング慣れしていない方だと広背筋を追い込みきれません。
チンニングの他に広背筋を鍛えられる種目を取り入れることで、より効率的に背中を鍛えることができるでしょう。また、チンニングではあまり鍛えられない大胸筋や上腕三頭筋を鍛える種目を取り入れると、上半身をバランス良く鍛えられます。
今回はチンニングと合わせて行うトレーニングとして、ワンハンドローイングとチェストプレスを紹介します。うまくトレーニングに組み込んで、理想的なスタイルに近づけましょう。
ワンハンドローイング
ワンハンドローイングはダンベルやチューブを使って広背筋を効率的に鍛えるトレーニングです。片側ずつ鍛えるため、最後まで丁寧に追い込むことができます。
1.ベンチや台に右手と右膝を乗せます。
2.右手は肩の真下、右膝は股関節の真下に置きましょう。
3.左足は股関節の真下の位置にします。
4.左手でウエイトを持ちます。
5.肘が天井から引っ張られるイメージで、肘を曲げながらウエイトを持ち上げましょう。
6.ゆっくりと肘を伸ばしてウエイトを下ろします。
7.何度か反復します。
8.反対側も同じように行いましょう。
ワンハンドローイングは反動で行うと体が外側に開きやすくなります。多少肩が動くのは問題ありませんが、体が外に開いてしまわないよう気をつけましょう。
チェストプレス
チンニングは背中と二の腕の力こぶを鍛えるトレーニングです。胸と二の腕裏側の筋肉を鍛えるチェストプレスと組み合わせることで、上半身をバランス良く鍛えられます。胸と背中を同時に鍛えることで、姿勢改善効果も高まりますので積極的に取り入れましょう。
1.バーが胸の高さになるよう、シートを調節します。
2.ウエイトを調節しましょう。
3.シートに深く腰掛け、バーを握ります。
4.胸を縮めるように意識して、バーを前に押し出しましょう。
5.肩甲骨を寄せながらバーを戻します。
6.何度か繰り返しましょう。
慣れてきたらアレンジを加えてみよう!
チンニングに慣れたら、アレンジを加えてトレーニングに刺激を追加しましょう。いつも同じトレーニングを行うより、少し変化がある方が成果が上がりやすくなります。ただし、フォームが安定しないまま応用にチャレンジしても意味がありません。
十分な筋力が付いていないのに難しい種目に挑戦すると、怪我の原因にもなります。基本のフォームを習得するまでは、応用編は行わないようにしましょう。
ナロー・チンニング
ナロー・チンニングは手の幅を狭くして懸垂の動作を行うトレーニングです。手の幅を狭くすることで、基本のチンニングよりも広背筋下部に効かせやすくなっています。腰のラインをすっきりさせたいという方は、ナロー・チンニングがぴったりです。
1.バーを肩幅と同じか少し狭めに握ります。
2.背中を意識しながら体を持ち上げ、胸をバーに近づけます。
3.ゆっくりと体を下ろしていきましょう。
4.呼吸は体を持ち上げる時に息を吐き、下ろす時に吸います。
ナロー・チンニングを行う際、手が逆手になっている方がいます。しかしナロー・チンニングは順手もしくは縦向きのグリップを握って行います。逆手になると腕への負担が大きくなりますので、順手か縦向きで行いましょう。
ワイドグリップチンニング
ワイドグリップチンニングは、ナロー・チンニングとは逆に手の幅を広くしてチンニング動作を行うトレーニングです。手の幅を広くすることで肩甲骨を寄せやすくなります。
手の幅を広くすると広背筋はもちろん、大円筋への刺激も強くなります。背中の筋肉をより大きくしたいという方は、ワイドグリップチンニングにチャレンジしてみましょう。
1.手を肩幅の1.5倍以上に開いてバーを握ります。
2.肩甲骨を寄せながら肘を曲げ、胸をバーに近づけます。
3.ゆっくりと体を下ろしましょう。
4.体を持ち上げる時に息を吐き、下ろす時に息を吸います。
負荷を増やしたチンニング
チンニングは自重を使って行うトレーニングですが、ベルトにウエイトをつけることで体重以上の負荷をかけられます。
体重が軽くて物足りないという方はベルトにウエイトをつけてチンニングにチャレンジしてみましょう。ただしウエイトのつけすぎは肩や腰への負担が大きくなりすぎます。無理のない範囲で行いましょう。
ベルトにウエイトをつける以外にも、脚でメディシンボールを挟んで行う方法もあります。
チンニングの注意点・デメリット
チンニングは効率的に広背筋を鍛えられ、台やバーさえ用意すれば自宅でも実践しやすいトレーニングです。正しく行うことでセクシーな後ろ姿を目指せるので、女性には積極的に取り入れてほしいメニューでもあります。
しかしチンニングにも注意しなければならないポイントやデメリットがあります。詳しく見ていきましょう。
フォームが安定しないと負荷が逃げやすい
チンニングは広背筋をメインで鍛える種目ですが、同時にフォームが崩れやすい種目でもあります。女性より筋力がある男性でも、チンニングで肩がすくんでしまっていたり、肩甲骨をうまく寄せられていない方がいます。チンニングはフォームを安定させるのが難しいのです。
女性の場合は肩こりや猫背の影響からか、体を持ち上げる時に肩が上がっていたり背中が丸まっているフォームをよく目にします。このフォームでは負荷は腕や肩に逃げてしまい、うまく広背筋に効かせることができません。
肩が上がりやすい方や猫背になってしまう方は、一度負荷を軽くして実践しましょう。負荷が減ることによって正しいフォームを再現しやすくなります。フォームが安定してきたら、少しずつ負荷を増やしましょう。
体重で負荷が左右される
チンニングは基本的に体重を負荷として利用するトレーニングです。そのため体重が重いと負荷が大きくなりすぎるのです。運動をバリバリやっていて筋肉で体重が重くなっている方は、自分の体重も支えられます。しかし、運動をしていなくて太ってしまった方は、バーにぶら下がっているだけでもキツく感じるでしょう。
体重が重くて体を持ち上げられない方は、斜め懸垂やチンアシストで負荷を軽くして挑戦しましょう。ダイエットに成功して体重が減る頃には、ある程度筋肉もついていますので改めて自重のチンニングにチャレンジしてみるのもおすすめです。
体重が軽い方にとっても、負荷設定は難しいです。自分の体重と腰につけるウエイトで物足りなくなった方は、ラットプルダウンで高負荷のトレーニングに挑戦してみましょう。
握力や指の力が必要とされる
チンニングは手でバーを握るため、握力が必要とされます。親指をバーにかけないサムレスグリップという持ち方もありますが、この場合も指の力が必要不可欠です。指の力がない方は広背筋を追い込む前に手が疲れてしまうということもあるでしょう。
指の力や握力を気にせずにチンニングを実践したいという方は、パワーグリップを取り入れてみましょう。
パワーグリップを使うと、バーを握る負担を減らすことができます。途中で疲れてバーから滑り落ちる心配が減りますので、トレーニングに集中できますね。
チンニングを実施している方の口コミ・体験談・実践者の声
実際にチンニングをトレーニングに組み込んでいる女性の方の体験談をまとめてみました。ツイッターでは自重チンニングを行なっている女性はとても少なく、男性の体験談ばかりが目に付きます。
女性の場合は体を大きくするためではなく、シェイプアップやダイエット目的でトレーニングをする方が多いです。そのためチンニングよりもローイングやラットプルダウンで広背筋を鍛える方が多いのでしょう。
女性のチンニングやチンアシストに対しての体験談は以下の通りです。
出張先のエニタイムに行ってきた!ちょっと15分くらい歩くけど、設備充実してて、スクワットマシン、プローンレッグカールでヒップスラスト高重量、チンアシストもあったから念願のチンニングできた♪♪18kg負荷で2回。23kg負荷で6回。まだまだですな。。
— ゆうか@RIZAP中-25kg(8ヶ月目) (@Yuka_mrgc) July 19, 2019
木曜日。
半日勤務だから時間ができて朝からガッツリ背中を。階段にあるチンニングバーにチューブ引っ掛けて命がけチンニング❤️😂💦
少しずつでも逞しく美しい人に近づきたい。 pic.twitter.com/yojbZJXG3G— umeko (@ume5515nya) July 18, 2019
女性に自重チンニングはきつい
女性の場合、自重のチンニングをガツガツやれる方は少数です。シェイプアップやダイエットに効果的な回数の15回や20回を行えるようになるまでは、かなりの時間と労力を費やすことでしょう。
ダイエット目的やシェイプアップ目的の場合は、自重チンニングではなくチンアシストで負荷を調整するのがおすすめです。体験談で18kg負荷というワードが出てきますが、チンアシストですので体重から18kg引いた重さが負荷としてかかっています。
健康的でカッコいいバックスタイルを手に入れられる
女性でもダイエット目的だけでなく、綺麗な自重チンニングをやりたいとチャレンジしている方はいます。正しいフォームでチンニングを行うことで、背中は引き締まりカッコいい筋肉がつきます。程よく筋肉のついた背中は、健康的でセクシーです。
背中は自分からはあまり見えませんが、他人からはばっちり見えています。チンニングを実践していけば、フィットネスジムやプール、海などで引き締まった背中を披露できるでしょう。
チンニングバーで宅トレに励む方もいる
突っ張り棒式のチンニングバーは廊下などを活用して設置できます。家の中に簡単にトレーニングスペースを作れますので、宅トレ派の方はチンニングバーを購入する価値が十分あります。
ただし家の構造によってはチンニングバーを設置できないこともありえます。チンニングバーを購入する前には、どこに設置するかを具体的に決めてサイズを測っておきましょう。
宅トレは自重トレーニングがメインになるので、筋肉量を増やしにくいというデメリットがあります。しかしチンニングは自重を最大限に利用し、同じ部分を鍛えるフィットネスマシンに負けず劣らずな負荷を与えられます。宅トレのみで体を大きくしたいという方にとっては、チンニングバーはトレーニングを捗らせるのにぴったりなアイテムです。
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まとめ
いかがでしたか?チンニングは筋力を測るだけでなく、背中の筋肉を鍛えられるトレーニングです。自重トレーニングの中では強度が高く、女性は中々できない方も多いです。
しかしチンニングを実践されている方は綺麗なバックスタイルを手に入れています。チンアシストでも同じ効果を得られますので、まずはチンアシストから始めるのもおすすめです。美しい背中を目指したいという方は、ぜひチンニングをできるようにトレーニングしてみましょう。
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