皮下脂肪と聞きますと、すぐにマイナスのイメージがつきまといます。
皮下脂肪があることによって、太って見えてしまったり、引き締まった体には見えないものです。
女性の場合は、男性に比べて特に皮下脂肪がつきやすいのが特徴となっております。
なかなか落ちないこの皮下脂肪。
運動してもなかなか落ちづらい、という方が大半なのではないでしょうか?
そもそも、皮下脂肪はなぜついてしまうのか?
そして、引き締めるための適切な皮下脂肪の落とし方についてお伝えしていきます。
目次
皮下脂肪と内臓脂肪の違い
脂肪の中にも種類があります。
皮下脂肪と内臓脂肪です。
もしかすると、運動によって落とすことのできていた脂肪は皮下脂肪ではないかもしれませんね。
まずは、脂肪の種類と構造についてお伝えしていきます。
皮下脂肪を落として引き締まったきれいな体にするためにも重要なことになりますので、しっかりと抑えておきましょう。
皮下脂肪とは?
まずは、皆さんが落としておきたい皮下脂肪についてみていきましょう。
皮下脂肪とは、皮下組織の下にくっついている脂肪のことになります。
皮膚の構造についてもお伝えしていきます。
人間体全体を覆っている皮膚は、いくつかの層に分かれています。
最も浅層にあるのが、表皮(ひょうひ)と言われる層になります。
その下、真ん中にある層が、真皮(しんぴ)と言われる層です。
そして、一番下に隠れているのが、皮下組織と言われる層になります。
この皮下組織の下に筋肉がありまして、筋肉と真皮の間にある皮下組織の部分にたまっている脂肪を皮下脂肪というのです。
基本的には、下半身につきやすいのが、この皮下脂肪の特徴になっておりまして、お腹や脚回りをつまんだ時につまむことのできる脂肪組織の部分が、この皮下脂肪です。
役割としましては、断熱効果があったり、それ自体が衝撃吸収の役割もあります。
そのため、子供を産むという女性にとっては重要ですね。
ただし、皮下脂肪がつきすぎることによって、弊害も起きてしまいます。
間接にかかってくる負担が大きくなり、例えば、腰痛や膝痛のリスクが増えてしまうのです。
お腹周りに皮下脂肪がついた分だけ、お腹の部分は前にせり出します。
元々、くっついている腰周りの骨は反っていますが、お腹が前に出ることによって、さらに前に出た状態となってしまいます。
それだけで、腰周りへの負担が増加してしまい、痛みなどの整形外科的リスクが増えてしまうのです。
適度な皮下脂肪は必要ですが、つきすぎは良くありませんね。
内臓脂肪とは?
上述の皮下脂肪に対して、男性につきやすいのが内臓脂肪です。
文字通り、内臓脂肪とは、内臓周りについた脂肪のことを指します。
この内臓脂肪、実は皮下脂肪よりも厄介で、健康に対して悪影響を及ぼすのです。
胃や腸と直結していますので、内臓に大きな影響を与えてしまうのです。
しかしながら、この内臓脂肪は基本的に運動を行うことで簡単に減らすことができます。
体脂肪を減らすためには、脂肪細胞を小さくしていくことが必要です。
内臓脂肪の脂肪細胞は、皮下脂肪の脂肪細胞に比べて小さく、代謝が良いとされています。
運動によって簡単に落とすことができるのが内臓脂肪である理由はこれになります。
全く運動をされない方にはつきすぎているかもしれませんが、日ごろから運動習慣のある方にとっては、そこまで気にならないかもしれませんね。
特に、お酒や揚げ物類をたくさん飲み食いする方は要注意です。
皮下脂肪がつく理由
では、皮下脂肪がついてしまう理由は何なのでしょうか?
まずは食生活での問題が大きいでしょう。
私たち人間の体は、食事からすべてできているのです。
そのため、食生活が悪く、不摂生が続いてしまっている場合には、基本的に皮下脂肪の量も増えてしまいます。
私たちの体は、生きて生活をする上で熱を発生させたり、体に元々備わっている機能を維持するために必要な1日のエネルギー量というものが存在します。
動いたり何もせずに消費することのできるカロリーを基礎代謝と言います。
例えば、30歳女性で特に運動などもしていない方の場合には、基礎代謝は約1,100~1,200キロカロリー程度になります。
つまり、何もしていなくとも1,100~1,200キロカロリーを消費することができますので、1日3食の内容が1,100キロカロリーを超えることがなければ、その分は痩せていくことができます。
1,100キロカロリーよりも少ない食事の量を続けていることによって、基本的には体重が落ちていき、痩せていきます。
反対に、1,500キロカロリーを毎食摂っている場合には、約300キロカロリー分の過剰になってしまいますので、1週間で約2,100キロカロリー、1ヶ月で約8,400キロカロリーが過剰ということになってしまいます。
余剰になってしまったカロリー分は、運動しない限り、脂肪として体に蓄積されてしまいます。
脂肪1キログラム当たり、約7,020キロカロリーと言われておりますので、上記の場合は、1ヵ月で1キロ以上の体脂肪を蓄えることになるのです。
これが、皮下脂肪がついてしまうメカニズムになります。
基本的には、余剰になってしまった分の摂取カロリー分が、体脂肪として蓄積されてしまうということです。
また、筋肉量が極端に少なかったり、歩いたりなどの有酸素性運動を全く行っていない方の場合には、やはり体脂肪率は高くなりやすい傾向にあります。
筋肉量が多ければ多いほど、1日に消費することのできる基礎代謝量が上がります。
そのため、筋力が通常よりも少ない方の場合は、基礎代謝が低く、脂肪をエネルギーとして利用する能力が低いために、皮下脂肪もつきやすい状態となっているでしょう。
はたまた、有酸素性運動を行わない方も、脂肪の量は多いかもしれません。
ウォーキングやジョギング、ランニングなどの運動は有酸素性運動と言われます。
有酸素性運動は、酸素を使って体の中にあるエネルギー源からエネルギーを生み出しながら行う運動になります。
強度が上がれば上がるほど、糖質の量を多く使うようになりますが、強度が低い有酸素性運動の場合には、基本的に脂肪を利用・分解してエネルギーにし、運動を行うことができます。
そのため、ダイレクトに脂肪を落とすことができるのです。
有酸素性運動を行っていない方、特に全く歩かないという方の場合には、皮下脂肪の量も増えてしまっているでしょう。
皮下脂肪のつきやすい部位
では、女性が気になる皮下脂肪のつきやすい部位は何処になるのでしょうか?
いつの間にか皮下脂肪がついていた、なんてこともありますよね。
まず、つきやすいのは動かしていない関節周りです。
例えば、太ももの内側や骨盤周り。
太ももや骨盤周りには、股関節と言われる関節があります。
股関節は、骨盤と大腿骨(だいたいこつ)と言われる脚の大きな骨から構成されている関節で、私たちが歩いたり走ったりなど、脚を使ったすべての動きを行うときの起点となる部位になります。
この股関節周りに脂肪がつきやすい理由としましては、動かすことができていない可能性があるからです。
動かすことができない部分がありますと、その部分にあります細胞がうまく働いてくれませんので、その部分の脂肪細胞を小さくすることができません。
そのため、股関節周りがあまり動かないという方の場合には、股関節周りである脚周りや骨盤周りに脂肪がつきやすいでしょう。
では、どうして股関節周りが動かしづらいのか。
それは、普段の生活でふくらはぎや足首、膝周りを主体として動いておりまして、股関節主体の動きができていない、ということが考えられます。
例えば、ヒールを履いた女性。
お仕事やおしゃれとしても履くことが多いのではないでしょうか?
ヒールを履くことにより、常につま先立ちと同じ状態になってしまいます。
上記の状態になってしまいますと、基本的にはふくらはぎの筋肉が常に硬い状態となってしまい、ふくらはぎの筋肉を使いやすくなってしまいます。
そして、ふくらはぎの筋肉が硬くなってしまうことによって、股関節周りの筋肉をうまく使いながら動くことができなくなってしまい、例えば、足首周りを過剰に使って動くようになってしまうのです。
普段からヒールを履くことが多い方は、やはり股関節周りを動かすことができない可能性がありますので、股関節周りに脂肪がつきやすいでしょう。
また、股関節周り以外にも、二の腕などにも脂肪はつきやすいでしょう。
上記と同じように、この部分も動かしづらい場所になってきます。
二の腕の筋肉は、上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)と言われ、その反対側にある力こぶの筋肉を上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)と言います。
上腕二頭筋は、体の構造的に使いやすい筋肉となりやすく、反対に上腕三頭筋は使いにくい筋肉となりやすいのです。
そのため、上腕三頭筋を使えていない場合には、その部分に脂肪がたまりやすい状態となってしまいます。
極論からお話しますと、その他動かすことができていないお腹や背中回りなど、すべての部位につきやすいのが皮下脂肪になります。
皮下脂肪の落ちやすいポイント
それでは、皮下脂肪を落とすためのポイントについてもお伝えしていきます。
皮下脂肪を落とすためには、運動と食事を両方セットにして行っていくことが重要でしょう。
まずは、運動を行うべき理由です。
上述のように、運動を行うことによって、脂肪をエネルギー源として動くことができますので、皮下脂肪を落とすことにもつながります。
特に、運動を全く行わない方にとっては、脂肪を落とすための取り組みとして重要になってきます。
運動をしていますと、体の中にため込まれているエネルギー源がなくなっていきます。
そうしますと、体の中から別のものをエネルギー源として使用しなければ、いわゆるガス欠状態になってしまい、体が動かなくなってしまいますよね。
例えば、軽めの有酸素性運動の場合には、脂肪が利用されるというわけです。
体の中にあるエネルギー源が減っていきますと、脳が体に指令を出して、アドレナリンなどのホルモンが出るようになります。
ホルモンが出ることにより、脂肪を分解して利用するための酵素が活性化します。
そして、その酵素が働くことによって、体の中にある脂肪を脂肪酸とグリセリンという2つの物質に変換し、血液の中に放出していきます。
血液の中に放出された脂肪酸を筋肉のメインのエネルギー源として使い、運動を継続することができるのです。
これが、運動によって脂肪が燃焼できるメカニズムになります。
そのため、運動を行うことは、脂肪を減少させるためにも必須なことになってくるのです。
しかし、運動のみではなかなか脂肪を落とすことは難しいでしょう。
理由としましては、運動やトレーニングによって消費することのできるカロリーというのは、限りなく少ないためです。
例えば、軽めのウォーキングを1時間行ったとしましても、約250~300キロカロリー程度しかエネルギーを消費することはできないでしょう。
体脂肪1キログラムまでは程遠いですね…
そこで活躍するのが食事の制限です。
脂肪がつく原因は、過剰に摂取してしまっているからです。
過剰に摂取しなければ、病気でない限りは必ず痩せるか現状を維持することが可能です。
現状維持ではなく、皮下脂肪を落としたいのでありましたら、基本的には1日で消費することのできるカロリー数を、ご飯などから吸収するカロリー数よりも多くするしかないのです。
そのため、皮下脂肪を効率よく落とすためのポイントとしましては、運動やトレーニングを行いながら、消費カロリーが摂取カロリーを上回るように、食事の制限をすることが必要になってくるのです。
そして、カロリーのみではなく、何の食品を摂取するのかも重要であり、なるべく脂質や糖質の量が多いものを選ばないようにする必要があります。
脂質は30グラム以上を1日で摂取してしまいますと、それだけで高脂肪食と呼ばれてしまいます。
何の食材を選ぶのかも重要なのです。
皮下脂肪を落とすメリットとデメリット
実際に運動やトレーニング、食事の制限によって、皮下脂肪を落とすと、体には少なからず何かしらの反応が出ます。
それが良い反応なのか、はたまた悪い反応なのかはわからないですよね。
皮下脂肪を落とすことによるメリットとデメリットについてもお伝えしていきます。
見た目がシャープになる
まず、皮下脂肪を落とすことにより、見た目がシャープになり、引き締まった体に見えます。
体を引き締めたい女性は、皮下脂肪を落としていく必要があるのです。
皮下脂肪を落とすということは、皮膚と筋肉の間の脂肪組織が減っていくということになりますので、筋肉の形が浮き彫りになります。
脂肪が多いせいで、脂肪に覆われている筋肉が隠れて見えない状態の方が、いわゆる太った状態に見えてしまうのです。
例えば、皮膚の部分にあるお肉をたくさんつまむことができるような方は、ぽちゃぽちゃしているような印象が見受けられます。
そのため、シャープに引き締まっているようには見えないでしょう。
反対に、脂肪組織が少ない方の場合には、その部分にある筋肉が浮き彫りになっていますので、その筋肉の形に体が変化していきます。
余計な衣を1枚はがされた状態と同じ状態になりますので、まずは全体としての体積が減り、見える部分が引き締まってきます。
皮下脂肪を落とすことにより、シャープでキレイな体に見せることができるのです。
免疫力が低下してしまう
反対に、皮下脂肪を落としすぎることによるデメリットもあります。
それは、免疫力が低下してしまうことです。
免疫力が低下してしまいますと、例えば風邪をひきやすくなってしまったり、すぐに病気にかかってしまったりしてしまいます。
皮下脂肪の一つの役割としましては、エネルギーを蓄えるということも行っています。
ちなみに、標準的な体脂肪の割合としましては、文献によって様々ではありますが、男性が約20%前後、女性が25%前後と言われています。
もし、上記よりもかなり低くなっている場合には、エネルギーが足りない状態が続いてしまい、その分だけ体が疲れやすくなっているかもしれませんね。
しかし、実際には引き締めるとなった場合、例えば女性が25%の体脂肪率の場合には引き締まった体には見えないでしょう。
ある程度筋肉をつけた上で、引き締まった体に見せるのでしたら、20%前後を目指すと良いかもしれませんね。
また、もう一つの機能としましては、体温の保持機能があります。
寒くなった時に、体を寒さから守るためには多少なりの脂肪が必要になります。
アスリートのように体脂肪率が5%程度になってしまいますと、免疫力も低下してしまいますし、体温を保持することができず、余計にエネルギーを使ってしまって疲れやすくなったりもするでしょう。
マラソンランナーなどのアスリートは、極力、体脂肪率や体重が低い方が競技に対しては有効に働きますが、その分だけ疲れやすかったり、体調を崩しやすかったりするかもしれませんね。
女性におすすめの下腹の皮下脂肪を落とし方
それでは、実際に皮下脂肪を落とすための方法についてお伝えしていきます。
女性の中には、お腹周りの中でも、特に下腹の皮下脂肪について気にされる方は多いのではないでしょうか?
女性の場合、構造的にお腹の下側には脂肪がつきやすい状態となってしまっています。
理由としましては、お腹の下側部分が骨盤についておりまして、骨盤の下側の部分は鍛えづらいためです。
下腹にある皮下脂肪を落として引き締めるためには、下側にある腹筋を使わなければなりません。
腹筋は骨盤周りから肋骨にかけてくっついています。
骨盤は、姿勢の土台となっておりまして、姿勢が崩れている方の多くは、骨盤が崩れてしまっています。
そして、骨盤が崩れているということは、その骨盤付近にくっついている筋肉も使えていない可能性があるということです。
下腹の部分の体脂肪を落としてキレイな体にするためには、まず腹筋の種類について知っておく必要があるでしょう。
腹筋は4つの筋肉に分けられます。
まずは、体の最も表面側にある腹筋。
腹直筋(ふくちょくきん)と言われ、チョコレートのようにボコボコした筋肉になります。
この筋肉は、恥骨(ちこつ)と呼ばれる骨盤の最も下の部分から、肋骨にかけてくっついています。
かなり幅広くくっついておりまして、特に恥骨側の部分というのは、お腹の中でも特に下側にある筋肉になりますので、下腹の皮下脂肪を落とすためには必要な筋肉になるのです。
続いての腹筋は、外腹斜筋(がいふくしゃきん)と言われる筋肉です。
この筋肉は、肋骨の横側の方から骨盤の下側にかけて幅広くくっついている筋肉です。
斜め下に向かって筋肉の線維が走っているような形状になっていますので、外腹斜筋を鍛えることによって、くびれを作ることができます。
もちろん、くびれを作るためには外腹斜筋のみでは足りませんが、それでもくびれを作るためには外腹斜筋を鍛えておくことも必要になるのです。
さて、腹斜筋という横側にある腹筋にはもう一つの種類がありまして、内腹斜筋(ないふくしゃきん)と言われる筋肉があるのです。
内腹斜筋も、外腹斜筋と同様に、お腹の横の方にくっついていますが、外腹斜筋よりも深い位置にくっついています。
外腹斜筋と同様に、肋骨から骨盤、そして背中側にかけて幅広くくっついている筋肉ですので、内腹斜筋の下側を鍛えることによって、下腹の皮下脂肪を燃焼させることが可能となります。
そして、最後に腹横筋(ふくおうきん)と呼ばれる筋肉です。
腹筋群の中で、最も深いところにある腹筋になりまして、インナーマッスルと言われています。
ちなみに、インナーマッスルとは一つの筋肉のみではなく、4つの筋肉を合わせたものとなります。
この腹横筋も、肋骨から骨盤にかけて、そして、背中側全体を覆っている筋肉になりますので、下腹の皮下脂肪を燃やすためにはトレーニングが必要な筋肉になってきます。
まずは、腹筋の種類についてみていきましたが、そのどれもが肋骨から骨盤の下側にかけてくっついています。
そのため、どの腹筋を鍛えても下腹の皮下脂肪を落とすための方法にはなり得ます。
しかしながら、腹筋のどの部分を使うかによって下腹を落とすことができるかどうかは変わってきます。
下腹にある脂肪を燃やしたいのでありましたら、腹筋の下側の部分を鍛えなければならないのです。
今回は、下腹を鍛えて脂肪を燃やすためのレッグレイズというトレーニングについてお伝えしていきます。
レッグレイズは、脚を上げ下げするようなトレーニング方法になります。
まずは仰向けに寝てください。
両手を体の横に置き、両足をピタッと閉じます。
上記の状態のまま、両足を天井方向に向かって伸ばすように、股関節から曲げていきましょう。
きつい場合には、下記動画のように膝を曲げた状態で行っていただいても構いません。
両足を地面に向かってゆっくりと下ろしていき、反動がつかないように元の位置に戻していきましょう。
腰がなるべく浮かないように行うことがポイントです。
ご自宅でも簡単にできるトレーニングになりますので、是非実践してみてくださいね。
お腹の皮下脂肪の落とし方
さて、上述のように腹筋には4つの種類がありました。
そのどれもが、お腹周りに幅広くくっついていますので、どの部位を鍛えるかによって、キレイな体に見せることができるかは変わってくるのです。
今度は、お腹周り全体の皮下脂肪を落とすためのトレーニング方法になります。
お腹周り全体をダイエットするためには、お腹周りをたくさん使うことができるような、様々なトレーニングを実施する必要があります。
そのため、こちらの項目では、2つの種類のお腹のトレーニングをお伝えしていきますね。
まずは、クランチというトレーニングです。
クランチでは、お腹の上側、特に肋骨部分に近いところにあります腹筋を鍛えることができます。
腹筋群の中でも特に、腹直筋と言われる筋肉を鍛えることができますので、例えばキレイに腹筋を割りたい、という女性にはうってつけのトレーニングかもしれません。
まずは、仰向けで床に寝ていただき、両手を胸の前でクロスします。
股関節と膝が90度ずつになりますように脚を曲げて持ち上げましょう。
上記の状態から、肩甲骨が浮く程度まで体を持ち上げてみてください。
腰の丸みを維持したまま、できるだけゆっくりと下ろしていきましょう。
この時に、腹筋を感じることができれば問題ありません。
注意点もいくつかありますが、まずは首がきつくなる女性。
腹筋の代わりに首の筋肉を使いながら体を持ち上げてくる女性も多いのです。
腹筋群が弱い女性は、代わりに首の筋肉を使って体を持ち上げようとしてしまいます。
そのような方の場合、両手を頭の後ろに置いた状態で行っていただくのが良いでしょう。
首の部分を支えることができますので、適切に腹筋へ負荷をかけることができます。
また、体を持ち上げるとなった場合に、腰が反ってしまう方もいらっしゃいます。
腹筋が弱い方は、特に腰が反りやすい状態となっているでしょう。
もし、脚を宙に浮かせた状態のままで行っていると腰が浮く場合には、脚をイスか何かに置いたままの状態で行ってみてください。
さらに、腰がより反らないように行うためには、かかとでその椅子を下に軽く押した状態で行うようにしましょう。
かかとで椅子を押すことにより、骨盤が後ろへ傾くように動き、骨盤にくっついている腰の骨も一緒に丸くなってくれますので、腰が反りづらい状況が強制的に作られるのです。
クランチも簡単なトレーニングになってきますので、是非とも実践してみてくださいね。
さて、続いては、ツイストクランチというトレーニングです。
お腹の横についたぜい肉はなかなか取れないもの。
苦戦を強いられている方も多いのではないでしょうか?
そんな時にオススメなのが、このツイストクランチなのです。
お腹の横側にある皮下脂肪を落としてダイエットを成功させるためには、お腹の横についている腹斜筋を使う必要があります。
特に、外腹斜筋を鍛えることによって、筋肉の線維の方向から見ていきますと、お腹が斜め下に向かって絞れていくことになります。
くびれなどを作るためには必要な筋肉ですね。
早速やり方を見ていきましょう。
まずは、両手を頭の後ろにおいていただき、股関節と膝を90度ずつに曲げましょう。
腰と床面の隙間は完全に埋めたままの状態にしてくださいね。
上記の状態から、右足を斜め前に向かって伸ばすと同時に、右肘を左の膝にタッチするように体を左側へねじりましょう。
そのまま、右肘を左の膝にタッチしていただき、体を最初の姿勢に戻します。
反対側も同様に行っていきます。
上記を連続して繰り返していきましょう。
上述のように、体をねじりながら曲げる運動を行うことによって、腹斜筋と言われる筋肉を使うことができます。
お腹周りの中でも、特に横にあるお腹の脂肪を燃焼させるために必要な筋肉となります。
重りなども使いませんので、ご自宅で簡単に実践することが可能ですね。
筋トレでできる腕の皮下脂肪の落とし方
お腹周りの皮下脂肪が気になるのと同時に、腕周りにある皮下脂肪が気になるという方も多いと思います。
腕の中でも、特に二の腕のお肉。
肌が露出するような季節になりますと、女性は特に気になる部分ではないでしょうか?
そして、二の腕のみではなく、腕全体が気になっているという女性もいらっしゃいますよね。
こちらでは、腕周りをトレーニングによって鍛え、皮下脂肪を落とすための方法についてお伝えしていきますね。
まずは、キックバックというトレーニング。
こちらのトレーニングでは、二の腕にある上腕三頭筋という筋肉を鍛えることができます。
上腕三頭筋は、肩甲骨や腕の骨から肘にかけてくっついていますので、肩甲骨や肘を動かす運動によって鍛えることができます。
主に肘を動かしていくトレーニングによって鍛えることができますが、その有名なトレーニングの一つがキックバックということです。
キックバックでは軽めの重りを使います。
今回は、ご自宅でも簡単にできるように、500mlのペットボトルを使ったやり方をお伝えしていきますね。
早速やり方を見ていきましょう。
まずは、鍛えたい側の手でペットボトルを持ちます。
反対側の手で机や台、ベンチなどを触れていただき、股関節から前に向かって曲げていきます。
体幹部分の角度は自由で構いませんが、70度前後が良いかもしれませんね。
上記の状態のままで、腕の角度が体幹部分と平行になるように、肘の位置を上げていきましょう。
肘を動かさないようにし、肘から先を伸ばしていきます。
腕の骨と一直線上になるまで伸ばしていただき、二の腕の筋肉を感じましょう。
二の腕の筋肉の緊張を緩めないように、ゆっくりと元の位置に肘を戻していきます。
この時、肘がなるべく曲がりすぎないように気をつけます。
肘が曲がりすぎてしまいますと、二の腕の筋肉である上腕三頭筋が伸び切ってしまい、筋肉への負荷がなくなってしまって、効率よく脂肪をエネルギーとして使うことができなくなってしまいます。
また、脇が開いていてしまい、肘が体幹部分から離れてしまいますと、肘へのストレスが増加してしまい、ケガのリスクが増えてしまいます。
二の腕の筋肉である上腕三頭筋は、体の中でも小さい筋肉になりますので、500mlのペットボトルのみでも大きな負荷がかかってしまい、肘のケガのリスクを増やしてしまいます。
負荷が高いように感じる場合には、500mlの中身を少し減らしたりすることによって、肘への負担を減らし、負荷を調整することができるのです。
回数としましては、15回ほどを目安に行いましょう。
お尻の皮下脂肪の落とし方
続いて、お尻周りについた皮下脂肪を落とす方法についてお伝えしていきます。
お尻の筋肉は、人間の体の中でも特に大きい筋肉になります。
大きい筋肉を使うことができればできるほど、脂肪細胞を小さくすることができ、皮下脂肪の減少に役立ちます。
また、お尻の筋肉にもいくつかの種類がありますが、最も大きな筋肉は大殿筋と言われる筋肉になります。
体の中でも特に大きな筋肉(大筋群といいます)を使ってトレーニングを行うことにより、1回のトレーニングで消費することのできるカロリー数を増加させ、ダイエット効果を高めることが可能です。
大殿筋を効率よく鍛えることによって、大殿筋周りにある脂肪細胞を小さくし、皮下脂肪を減少させましょう。
お尻周りの筋肉でも、特に大殿筋を使うことによって皮下脂肪を燃焼させるための方法もいくつかあります。
もちろん、通常のトレーニングなどでも可能ですが、日常生活の中で鍛えながら、皮下脂肪を落とすことも可能なのです。
例えば、階段の上り下り。
大殿筋は、骨盤から脚の大きな骨にかけてくっついている、股関節周りの筋肉です。
そのため、股関節周りを動かすことによって、大殿筋を使うことができます。
大殿筋の働きとしましては、脚を後ろに蹴り出したり、かかとで着地した時に、ブレーキを行う働きがあります。
そのため、階段の上り下りなどで、例えば、足を地面についたとき、そして、足で踏ん張りながらお尻を持ち上げるような動きの際に使われるのです。
日常生活から変えていけることとしましたら、エスカレーターやエレベーターではなく、階段を使うことが、効率よくお尻周りの皮下脂肪を落としていくためのコツになるでしょう。
上記のようにトレーニング以外の部分で行動を変えることができましたら、トレーニングのみを行っている方よりも、効率よく、そして早く皮下脂肪を落とすことができるようになります。
まずは、日常生活から変えてみてください。
そして、日常生活で大殿筋のようなお尻周りの筋肉を使いやすくするためには、普段のトレーニングで大殿筋に刺激を入れておく必要があります。
大殿筋に刺激を入れるために有効なトレーニングは、スクワットになります。
重りなどを持たずとも、負荷そのものが高いために、スクワット単体のみでダイエット効果があります。
まずは、かかと、膝、骨盤、肩、耳の穴が一直線上になるようにしましょう。
一直線上になった状態が、スタートになりますので、必ず上記の位置に戻ってくるようにします。
両手を前に出していただき、お尻を後ろへ軽く引きながら膝を曲げていきます。
この時に、膝がつま先と垂直上に来るようにしてください。
つま先よりも膝が前に出すぎてしまいますと、膝にある骨にかかるストレスが増大し、痛みなどの原因となります。
背筋はまっすぐに保ったままで脚の骨が地面と平行になるまで膝を曲げましたら、ゆっくりと元の位置に戻していきます。
背筋はまっすぐですが、人間の構造としましては、股関節が深く曲がっていくにしたがって、腰周りの骨は丸まっていきます。
脚の骨が地面と平行になるまで下ろしていきましたら、基本的には腰周りが丸まるような形になりますので、無理に反らせる必要はありません。
お尻の筋肉を感じながら行ってみてください。
足や太ももの皮下脂肪の落とし方
お尻周りにある皮下脂肪と同様に、足や太もも周りにある皮下脂肪が気になる方も多いのではないでしょうか?
スクワットなどのトレーニングを用いることによって、足や太もも周りにある皮下脂肪を落とすことができますが、トレーニング以外の方法でも落とすことが可能です。
例えば、ランニングやジョギングと言った有酸素性運動。
有酸素性運動とは、酸素を使って体の中に蓄えられたエネルギー源を使い、運動を継続するための方法になります。
有酸素性運動で使われる主なエネルギー源は、糖質と脂質です。
強度が高くなればなるほど、糖質が使われる割合が多くなり、反対に強度が低いほど、体の中に蓄えられた脂肪を分解しながら運動を行います。
体についた皮下脂肪をダイレクトに落とすためにも、ランニングやジョギングといった有酸素性運動を行うことは重要です。
さらに、ジョギングやランニングなどの有酸素性運動では、主に脚回りの筋肉を使って運動を継続します。
つまり、脚周りにある脂肪細胞を小さくすることができ、脚周りの皮下脂肪を落とすことができるのです。
一石二鳥と言ったところでしょうか。
運動の強度の目安としましては、隣の人と会話がなんとかできるようなペースが良いでしょう。
心拍数を目安に行うことができましたら、より細かい設定ができますが、心拍系を持っている方は少ないと思われますので、まずは隣の方と会話ができたり、息が何とか切れない程度の速さで歩いたり走ったりするようにしてみてください。
仮に、心拍数を目安として有酸素性運動を行うのでしたら、普段のご自身の心拍数がどれくらいあるかによってきめることが可能です。
まずは、5分間ほど静かに椅子に座っていただき、60秒間で打った脈拍数を数えましょう。
その心拍数が安静時心拍数と言われます。
(220-年齢―安静時心拍数)×0.6+安静時心拍数=目標とする心拍数
上記のような計算式を用います。
例えば、30歳、安静時心拍数が70拍/分の女性でしたら、
(220-30-70)×0.6+70=142拍/分
上記の心拍数で有酸素性運動を行うことができましたら、効率よく脂肪を減少させることができます。
0.6という数字は、運動強度のことであり、この部分を0.5~0.7の範囲でしたら変動させていただいて構いません。
もしかしますと、運動を全く行ったことがない方の場合、0.6という運動強度でしたら、辛いかもしれません。
その場合には、0.5程度まで落としていただいても、有酸素性運動における脂肪の燃焼は起きるということになります。
反対に、運動をずっと継続している方の場合でしたら、0.6という負荷が少ないかもしれませんよね。
その場合には、0.7まで上げていただいても、脂肪を燃焼しながら運動を行う割合が高いことになりますので、より効率よく皮下脂肪を落とすことが可能です。
また、有酸素性運動においては、運動の継続時間が長ければ長いほど、たくさんの脂肪を減少させることができますので、運動の継続時間をできるだけ長くするようにしましょう。
ただし、1時間以上の有酸素性運動につきましては、筋肉の元になっているたんぱく質を分解しながら運動を行うようになります。
筋肉量が減ってしまいますと、基礎代謝が減ってしまいますので注意が必要です。
皮下脂肪を落とす際に注意すること
皮下脂肪を落とすために様々な方法があります。
そのどれもが、皮下脂肪を落とすために有効な方法であり、組み合わせたりすることによって相乗効果が生まれ、より早く皮下脂肪を落とすことが可能になるのです。
しかしながら、皮下脂肪を落とすとなった場合にも、注意するべきことがあります。
まずは、食事制限はカロリーのみで見ない、ということです。
例えば、基礎代謝量をもとに計算をするとしましょう。
通常であれば1日当たり1,200キロカロリーを消費することができるような体の状態だった場合。
1日に摂取するカロリー数が700キロカロリー程度でしたら、1日当たり500キロカロリーのマイナスになります。
1週間で3,500キロカロリー、1ヶ月で7,000キロカロリーになりますね。
1ヶ月で1キロの体重を落とすことは間違いではありませんし、容易に行うことが可能でしょう。
しかし、それはそれぞれの人によります。
もし、上記のような女性が、身長170㎝で体重が50kgだった場合。
健康の基準としましては、BMI:ボディ・マス・インデックスという指標があります。
体重を身長(m)の二乗で割った値になりまして、その値が21前後でしたら正常であるという基準です。
上記の女性の場合でしたら、BMIは17.3になります。
18以下になりますと、かなりの痩せすぎ状態になりますので、それ以上体重を落としても、体調を崩してしまうだけになります。
カロリーのみで計算をしてしまいますと、上記のような弊害が出てきてしまうのです。
そのため、カロリー数のみではなく、何の食品にどれだけの脂質、糖質の量が含まれているのか、を見ることが大事になってきます。
カロリーのみでは計算しないようにしましょう。
まとめ
皮下脂肪がついてしまうメカニズムと、皮下脂肪を落とすためのいくつかの方法についてお伝えさせていただきました。
どのような方法であっても皮下脂肪は落ちやすくなります。
より効率よく皮下脂肪を落とすのであれば、食事と運動の併用が必要になるのです。
ご自宅で簡単にできるトレーニングや、日常生活で気をつけるべきこと、変えることから始めていき、効率よく皮下脂肪を落としていきましょう。
こちらの記事が参考になりました方は、シェアしていただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。