「葛根湯」といえば、風邪のひきはじめに飲む漢方薬として知られています。しかし、実は葛根湯はダイエットに効果があるというのです。葛根湯がダイエットに良いといわれるメカニズムと正しい飲み方、葛根湯以外のダイエットに効果的な漢方薬についてもご紹介します。
目次
葛根湯とは?本来の効果や効能は
秋・冬になり、気温が下がってくると気をつけたいのが「風邪」です。
風邪は長引くとなかなか治らないどころか、症状がどんどん悪化していく場合もあります。
そんなつらい風邪の症状を抑えるためには、風邪のひきはじめが肝心です。
「葛根湯」とは、まさにそんな風邪のひきはじめに飲む漢方です。
風邪のひきはじめは、なんとなく身体がゾクゾクと寒く感じることが多いのではないでしょうか?
身体が冷えたことによる風邪のひきはじめには、寒気や透明な鼻水が出るといった症状が現れます。
体温が下がると免疫力が落ち、風邪が悪化しやすくなります。そのため、風邪のひきはじめはまず「温めること」が大切です。
葛根湯には、血の巡りを良くして身体を温める作用があります。
身体が冷えている風邪のひきはじめに葛根湯を飲むことによって、発熱・発汗を促して風邪の症状を解消してくれるのです。
ただし、すでに汗をかいている場合や体力を消耗している場合には、葛根湯を飲むのはおすすめできません。
葛根湯は体を温めることによって風邪の症状を解消しますが、すでに身体が温まって発汗している場合には、さらに汗をかくことで体力を消耗してしまいます。そのため、身体が本来持っている治癒力・回復力を存分に発揮できず、風邪が長引く原因にもなりかねません。
葛根湯を飲むのであれば、風邪のひきはじめの身体が冷えているときがベストなタイミングです。
葛根湯は、風邪のほかにも肩こりや腰痛、頭痛、神経痛、蕁麻疹などにも効果があるといわれています。
というもの、葛根湯を飲むと血流が良くなるため、冷えによる血行不良が原因の症状にも効果を発揮してくれるのです。
風邪のひきはじめにだけ効果を発揮してくれると思われがちな葛根湯ですが、実はそのほかにも嬉しい効果が期待できるのです。
葛根湯がダイエットにも効くメカニズム
葛根湯が風邪以外の身体の不調にも効果があることがわかりました。
そして葛根湯は、ダイエットにも効果があるというのです。
主に風邪のひきはじめに使用される漢方である葛根湯が、なぜダイエットに効くといわれているのでしょうか?
その理由についてみていきましょう。
そもそも葛根湯は、いくつかの生薬を組み合わせてつくられています。
葛根湯を構成する生薬と作用は、以下の通りです。
・葛根(かっこん):体表の邪熱を発汗清熱する
・麻黄(まおう):発汗解表
・桂皮(けいひ):発汗作用
・芍薬(しゃくやく):筋肉の緊張緩和、過剰発汗の抑制
・大棗(だいそう):脾胃を補う、身体の緊張緩和
・生姜(しょうきょう):解表作用、脾胃を補う、嘔気の解消
・甘草(かんぞう):生薬の調整作用
この中で特に効果が強いといわれているのが「麻黄」です。
麻黄は体の中の熱を高めて、発汗を促します。
また、麻黄と桂枝が相乗効果を生み、より効果的に発汗を促すとされています。
葛根や麻黄、桂皮、生姜などの効果によって、身体の熱が高まります。
身体が温まることによって代謝が上がり、脂肪を燃焼しやすくなると考えられます。
また、芍薬や大棗の効果によって筋肉の緊張が緩和され、血行が良くなります。
血流が改善されることによって冷え性が改善されるほか、むくみの解消や老廃物の排出
がスムーズになることも期待できます。
また、葛根湯には胃腸の働きを良くする効果もあるため、消化・吸収をスムーズにして必要な栄養素を効率良く体内に取り入れることができます。
以上のような理由から、葛根湯はダイエットにも効果があるといわれているのです。
葛根湯と防風通聖散 の違いは?
ダイエットに効果があるといわれている葛根湯ですが、それ以外にもダイエットに効果的であるといわれている漢方があります。
それが「防風通聖散」です。
防風通聖散とは脂肪燃焼効果があるといわれており、肥満症に対して病院で処方されることもある漢方薬です。
18種類の生薬を配合してつくられており、葛根湯と同じく麻黄が配合されています。それによって、発熱・発汗を促して代謝を上げ、脂肪を燃焼させるのです。
また近年の研究で、防風通聖散を服用すると便と一緒に余分な脂質を体外に押しだす効果があることが発見されています。
つまり、防風通聖散は脂肪を燃焼することに加えて、摂取した脂質を体外に排出することによってダイエット効果を発揮しているのです。
さらに、その他の生薬に力によって発汗や排尿、排便を促す効果もあります。そのため、防風通聖散は肥満のほかむくみや便秘、高血圧に伴う動悸や肩こりなどにも効果があるといわれています。
むくみや便秘もダイエット中には大敵ですから、一緒に解消できれば一石二鳥です。
便秘が解消されることで、ダイエット中に起こりがちな肌荒れなどのトラブルも予防・解消することにつながります。
葛根湯と防風通聖散はいずれもダイエット効果があるといわれていますが、生薬の配合が異なります。そのため、通常処方されるときには、対象となる症状も異なります。
防風通聖散は主に肥満症や皮下脂肪の多い場合に処方されますが、葛根湯は風邪のひきはじめや血行不良に伴う症状に対して処方される場合がほとんどです。
どちらにも同じ麻黄という生薬が配合されていることで代謝が上がりダイエット効果が期待できますが、根本的には目的が違う漢方薬であることを覚えておきましょう。
ダイエットのための葛根湯の正しい飲み方
葛根湯の用法・用量をみると、次のように記載してあります。
「通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前もしくは食間に水またはぬるま湯で飲んでください。」
食前とは「食事を食べる前」のタイミング、食間とは「食事から次の食事までの間」のタイミングです。つまり、葛根湯は胃腸に食べ物が入っていないタイミングで服用するのが良いようです。
食間を「食事の途中」と認識している方も多いようですが、「食事と食事の間」のことです。食事をしてから約2時間後が目安となります。
勘違いされている場合も多いようですから、覚えておくと良いでしょう。
また、葛根湯は身体の熱を上げて発汗を促すことによって効果を発揮します。
水やぬるま湯で葛根湯を飲んでも身体が温まる感覚がないようであれば、お湯で葛根湯を服用してみましょう。
お湯で服用することで、物理的にも身体の発熱を促します。
さらに、服用後に厚着をしたり靴下、腹巻きをしたりすることで発熱をサポートし、外側からも身体の熱を守ります。
葛根湯を飲んでから30分~1時間ほど様子をみて、おでこや脇などにじんわりと発汗していることを確認しましょう。
身体中から大量に汗をかいている場合には、余分にエネルギーを消耗しているため好ましくありません。
じんわりと身体が温まり、心地よい発汗をすることが理想です。
身体が温まる感覚や発汗が感じられないからといって、記載されている用法・用量を超えて服用してはいけません。
場合によっては発疹やかゆみ、不眠、動悸、吐き気、嘔吐などの症状を引き起こす可能性があります。
服用前に、漢方薬に記載の用法・用量や注意事項をよく確認してください。
どの葛根湯がおすすめ?正しい選び方
いざ葛根湯を購入しようとドラッグストアなどに足を運ぶと、葛根湯にも様々種類や商品があることがわかります。
それぞれどのような違いがあって、自分にはどの商品が合っているのか迷ってしまいますよね。
そこで、葛根湯の選び方についてご紹介します。
まずは「葛根湯の種類で選ぶ方法」です。
葛根湯には形状の違う3タイプがあります。それは「顆粒」、「錠剤」、「内服液」の3つです。
「顆粒」タイプは1回分ごとの個包装になっているため、持ち運びに便利です。カバンにいれてもかさばらず、外出先でもさっと取り出して服用することができます。
「錠剤」タイプは飲みやすく、粉薬や顆粒タイプが苦手な方でも手軽に服用することができます。
ビンの容器に数十~数百錠はいっている商品が多く、1つ購入して自宅に買い置きしてくと便利です。
「内服液」タイプは1回分の用量がビンに入っているドリンク状のものです。栄養ドリンクを想像するとわかりやすいでしょう。
内服液タイプは味が飲みやすく工夫されている商品が多く、「漢方薬は独特の味やニオイが苦手…」という方でも抵抗なく飲みやすくなっています。
毎日継続して飲むにはややコストがかさみますが、錠剤や顆粒と違って水がなくても服用できるのもメリットのひとつです。
続いて「服用回数で選ぶ方法」です。
商品によって1回の服用分に配合されている成分の量が異なり、1日の服用回数も異なります。
最も一般的なのは「1日3回服用する」タイプです。
漢方薬を一度に多量に摂取すると、胃腸の負担になる場合があります。そのため、服用を3回に分けて1度の摂取量を少なくしているのです。こうすることで、漢方薬を飲んだときに起こりがちな胃のむかつきや胃もたれを防ぐことができます。
ただし、1日3回に服用を分けることで、飲み忘れのリスクが増えるというデメリットもあります。
飲み忘れると漢方薬の効果が持続できず、効果が薄れてしまいます。また、漢方薬の成分の体内での濃度が低下することで、体調不良を感じる場合もあります。
慣れるまでは少々大変かもしれませんが、胃腸が弱い方や食事が規則的で習慣化しやすい方にはおすすめです。
次に「1日2回服用する」タイプです。
この場合は、朝と夜の2回服用します。
1日3回服用するタイプの場合、お昼に最も飲み忘れが多いといわれています。
仕事が忙しく昼食の時間がなかったり、食事が不規則な場合に忘れやすく、そもそも外出先に漢方薬を持っていくのを忘れてしまう可能性もあります。
そのため、1日3回服用するのが難しい方や、飲み忘れのリスクを低くしたい方におすすめです。
漢方薬は継続して飲むことで効果を発揮します。そのため、自分のライフスタイルに合った種類・服用回数を選んで、飲み忘れることのないようにしましょう。
葛根湯だけじゃない!ダイエットにおすすめの漢方紹介
ここまで葛根湯の効果や飲み方、種類について詳しくご紹介してきました。
しかし、ダイエットをするときには葛根湯以外にもおすすめの漢方薬があります。
それらの商品について、簡単にご紹介します。
小林製薬 ナイシトールZ
テレビCMでもお馴染みの商品です。
こちらは防風通聖散のエキスが配合されており、特におなか周りの脂肪や便秘、むくみに効果があります。
有効成分が5000mgと、類似商品の中でも特に高濃度配合されています。
ついつい食べすぎてしまう方や生活習慣の乱れから太ってしまった方におすすめの商品です。
ツムラ 防已黄耆湯
漢方薬を販売メしているーカーとして長い歴史を持つ、ツムラから発売されている商品です。
「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」という漢方が配合されており、体力がなく汗をかきやすい方におすすめの商品です。肥満による関節の痛みやむくみの解消に効果があります。
12包(6日分)から販売されており、一度にかかるコストが抑えられるのも嬉しいポイントです。
小林製薬 ビスラットゴールドEX
年齢とともに代謝が落ちて蓄積した脂肪に効果が期待できる商品です。
「大柴胡湯(だいさいことう)」という漢方が配合されており、肝臓に働いて脂質代謝を活発にしてくれます。慢性的な便秘や、高血圧に伴う肩こりや頭痛、胃炎、神経症にも効果が期待できます。
「ビスラットゴールド」にはいくつかのシリーズがありますが、こちらの「ビスラットゴールドEX」は同シリーズ商品よりも配合されている漢方の濃度が高く、より高い効果を期待できます。
葛根湯でダイエットに成功!痩せた人の口コミ・体験談
【漢方×ダイエット②】それを前提の上で以下の代表漢方があやまごでのダイエットの代表選手。平均10㎏位、皆さんスルスルっと減量成功です!
防風通聖散
防己黄耆湯
大柴胡湯
桂枝茯苓丸
葛根湯
五苓散
当帰芍薬散
など。全部読めたあなたはすごいかも笑。ちなみに私が愛飲している漢方は→③— あやこ先生@あやこまごころ診療所院長 (@ayacoharada) 2019年5月19日
朝からなんも食べてないけどお腹減ってないのは、葛根湯の中の麻黄のエフェドリンのおかげ。
そりゃあ、ダイエット薬として、エフェドリン、禁止されますわな。
— yayaya(かわいい) (@yayaya80806649) 2019年4月25日
空腹感を感じたら葛根湯を服用する。といった完全に用法用量を無視した服用をしております…。#ダイエット #葛根湯
— Opabina (@opabinia525) 2019年3月8日
ダイエットサプリとしてのリポドリンは優秀だと思うよ。主成分は漢方薬のエフェドラ (麻黄) だからね。
風邪引いた時に飲む葛根湯にも入ってるアレ。ダイエットでどうしても食べたくなっちゃう時には飲むと食欲は抑えられるよ…https://t.co/tNkBU3bPX3
— いろいろ試してみる人(ダイエット垢・主にオオサカ堂) (@kotonoha1989) 2019年10月28日
ダイエットしてて役に立ったもの
葛根湯(食欲を減らす)
絶食(食欲を減らす)
納豆(酵素。満腹感)
卵なま(栄養)
キャベツ(胃腸の調子。満腹感)
ヨーグルト無糖(満腹感。栄養)
茄子なま(満腹感)
チーズ(酵素。栄養)
味噌汁(酵素。栄養)— オイカワ先生は淡水魚 (@dr_goldfish2) 2019年6月27日
葛根湯をはじめ、先ほどご紹介した商品に含まれている漢方を使用することで大幅な減量に成功した方もいらっしゃるようです。
また、葛根湯などに配合されている麻黄の成分が、食欲の抑制にも働いているという口コミがみられました。発熱・発汗を促すだけでなく、食欲が抑えられることもダイエット効果につながっているようです。
とはいえ、用法・用量を無視した服用は副作用などの危険があるためやめましょう。
代謝を上げることを目的に正しい方法で漢方を服用し、嬉しいおまけとして食欲が抑えられて食べ過ぎを防げる、くらいに考えておくと良いかもしれません。
まとめ
風邪のひきはじめによく使用される「葛根湯」の効果や服用方法についてご紹介しました。
葛根湯をはじめとした漢方薬の中には、代謝を上げてダイエットをサポートしてくれるものがあります。身体に不調があるときに使うイメージの強い漢方薬ですが、ダイエット中の体質改善にも役立つのです。ご自分の体質やライフスタイルに合った漢方薬を見つけて、ダイエットに役立ててみてはいかがでしょうか?