「背中の脂肪がどうしても落ちない」「ダイエットに成功したと思ったのに背中のラインは変わっていない」このように、後ろ姿のことで悩んでいる女性は少なくありません。
スムーズな背中のボディメイクには、広背筋をターゲットとした効果的なトレーニングを習慣にすることが大切です。しかし、コツがわからないと背中のラインを整える鍛え方ができずに、脂肪がついたりラインが崩れたりしてしまいます。
そこでここでは、後ろ姿を綺麗にしたい女性におすすめの広背筋の筋トレやストレッチ、自重トレーニングの方法について解説していきます。
目次
広背筋とは。その作用や役割、起始停止はどこ?
広背筋は背中に大きく広がっている筋肉で、起始は多く、反対に停止は一点に絞られます。
具体的な起始は、
・下位第6胸椎~第5腰椎の棘突起
・正中仙骨稜
・腸骨稜の後部
・肩甲骨下角
・第9~12肋骨
一方、停止は上腕骨の小結節稜だけです。
背骨の中程、骨盤、肋骨下部にかけての広い範囲から脇の下の一点にかけて、扇状に付いているイメージです。
広背筋の作用は、肩関節の伸展や内転、内旋、水平外転のように、肩関節を使った動作に関係します。
その他、肩甲帯の引き下げや骨盤の引き上げ、前傾などの作用もあります。広背筋にはこのような特徴があるため、引き寄せる動作に大きな役割があると言えるでしょう。
広背筋がもっともよく働くのは、肩関節の伸展です。特に、腕をまっすぐ伸ばしてから体を引き寄せる動きで、広背筋を効率よく使うことができます。
ただし、腕をまっすぐ下に伸ばした状態では、広背筋の緊張が解けてしまうため十分に働かせることができません。そのため、広背筋のトレーニングでは、腕をまっすぐ前や上に伸ばした状態から体に引きつける動きを取り入れます。
たとえば、ボートを漕ぐ際の動作や懸垂、ロープを登る運動などで、広背筋を効率よく使うことができるでしょう。スポーツでは、柔道や水泳などで広背筋の貢献度が高いです。
広背筋を発達させると、逆三角形の背中を作ることができるでしょう。また、広背筋が引き締まっていると、背中のラインが綺麗に見えたり相対的にくびれが強調されたりします。
ダンベルを使った広背筋のトレーニング
ダンベルローイングでは、ダンベルを体に引きつけることで広背筋を鍛えることができます。取り扱いやすい重量のダンベルを持って、次の手順で行いましょう。
1.右手にダンベルを持ち床に四つん這いになる
2.胸を開くようにダンベルを持った右手を引き上げる(10回)
3.右足を後ろに伸ばして手順2と同様に行う
4.左側も同様に行う
トレーニングのコツは、まず肩でダンベルを上げないことです。
肩甲骨を寄せるように、手や腕の力を使わず背中を意識してダンベルを引き上げましょう。腕の力を使いづらくするためには、手首をまっすぐにするとよいです。
次に、ゆっくり動かすことも大切です。広背筋の収縮を感じながら、一定のペースで動かしてください。
ダンベルを引き上げた状態でキープすると、より効果的でしょう。
リアレイズでは、広背筋と肩にある三角筋の後部を鍛えることができます。ダンベルを両手に持ち、次の手順で行ってください。
1.直立した状態から足を肩幅程度に広げる
2.上体と床がほぼ平行になるように、お尻を後ろに突き出すように前傾する
3.ダンベルを持った両手を横から上げて下ろす動作を繰り返す(10回)
4.休憩を挟み、合計2セット行う
リアレイズは、ダンベルを持つ手と体の軸との距離が長いため負荷がかかりやすいです。そのため、500gや1kgなどの軽いダンベルからはじめましょう。
ダンベルを上げる際は、肩甲骨を寄せるようにすると広背筋によく効かせることができます。また、重力に逆らいながらゆっくりダンベルを下ろすことで、広背筋に強い刺激を与えることができるでしょう。
バーベルを使った広背筋のトレーニング
バーベルを使ったベントオーバーローイングでは、ダンベルを使うよりも安定した姿勢で広背筋を鍛えることができます。ジムにあるバーベルを利用して、次の手順で行いましょう。
1.直立した状態から膝を少し曲げ、背中を伸ばしたまま前傾姿勢になる
2.バーベルを持ち、バーをみぞおちとへその間に向けて上げる
3.膝の少し下にバーを下ろす
ベントオーバーローイングは、10回3セット行いましょう。ただし、正しいフォームで行わないと腰を痛める恐れがあるため注意してください。
ポイントは、膝が前に出ないようにすることと、腰を後ろに突き出すことです。
また、トレーニング中は必ず背筋を伸ばすようにしましょう。背中が丸まると腰に負担がかかるためです。
バーベルを使ったプルオーバーでも広背筋のトレーニングができます。バーベルとベンチを用意して、次の手順で行ってください。
1.フラットベンチに仰向けになり、バーベルを胸の前に持ち上げ肩を下げる(スタートポジション)
2.背中を反らせながらバーベルを頭上にゆっくり下ろす
3.背中の筋肉を意識しながらスタートポジションに戻る
プルオーバーは、やり方を間違えると広背筋ではなく大胸筋に効いてしまうため、ポイントを抑えて実践しましょう。
まず、肘への負担を減らすため、トレーニング中は肘を軽く曲げる状態を維持することが大切です。
次に、背中にブリッジを作るようにしましょう。背中を反らせることで、広背筋が収縮しやすくなるためです。
そして、トレーニング中は腕の力でバーベルを上げ下ろしするのではなく、広背筋で踏ん張るようにしてください。
筋トレがしたい女性におすすめの懸垂等の自重でできる広背筋のトレーニング
懸垂は、自重でできる広背筋のトレーニングでおすすめの種目です。バーベルやマシンなどの器具を使わず、自分の体重だけで広背筋に強い負荷がかけられるためです。
基本的なやり方は次のとおりになります。
1.鉄棒などのバーに順手でぶら下がる。この時の手幅は肩幅より広くする
2.反動をつけずに、広背筋を意識して体を持ち上げる
3.バーが顎の位置に来たらゆっくりと体を下ろす
正しく懸垂を行うためにはポイントがあります。
まず、体を持ち上げる際は肩甲骨を寄せること。肩甲骨を寄せることで、広背筋に負荷が集中します。
次に、バーに胸を当てるようにすること。体をやや反らせ胸をバーに近づけるようにすることで、より広背筋に効かせることができます。
また、通常の懸垂は負荷が高いため、女性の筋力では実践が難しいこともあるでしょう。その場合は、手幅を狭くする、バーを逆手で持つ、ゴムバンドやゴムチューブを利用するなどの工夫をすることで、負荷を小さくすることができます。
自重ローイングは、広背筋を中心に、ウエスト後部にある脊柱起立筋も鍛えることができるトレーニングです。
次の手順で行ってください。
1.床にうつ伏せになり顔と腕を浮かせる
2.腰を反らせながら肩甲骨を寄せるように両腕を後ろに引く
3.ゆっくりと元に位置に戻る
回数は20回3セットが目安です。
トレーニング中は、つま先を床から離さないようにしましょう。足を浮かせてしまうと、十分に腕を引くことができなかったり脊柱起立筋に効いたりするため、広背筋への負荷が小さくなってしまいます。
チューブを使った広背筋の鍛え方
チューブを使ったベントオーバーローイングは、広背筋の他、背中の上部や肩の後ろ側にある筋肉にも負荷を与えることができるトレーニングです。
チューブを用意して、次の手順で行いましょう。
1.直立した状態でチューブの両端を持ちチューブの真ん中を両足で踏む
2.上体と床が平行になるくらいまで体を前傾させる
3.背中の筋肉を意識しながら肘を後ろに引き元に位置に戻す動作を繰り返す
1分の休憩を挟みながら、10回3セット行いましょう。
チューブを短く持つほど、トレーニングの強度が高くなります。手応えがないと広背筋への負荷も小さくなるため、適度に負荷をかけるようにしましょう。
また、ダンベルやバーベルを使ったローイングと同様に、腕ではなく背中の筋肉を使うことが大切です。
チューブローイングは、チューブを使ったベントオーバーローイングと同様の軌道で広背筋を鍛えるトレーニングです。しかし、座って行うため腰への負担が少ない特徴があります。
トレーニング手順は次のようになります。
1.床に座り両足を揃えてまっすぐ前に伸ばす
2.チューブの真ん中を足の裏に掛けチューブの端を手で持つ
3.背中を丸め両手を前に伸ばす
4.胸を張りながら肘を引き、脇腹までチューブを引き寄せ元に位置に戻す動作を繰り返す
このトレーニングを10回×2~3セット行いましょう。
トレーニング中は、肘を体の後ろの方に突き出すようにしてください。そうすることで、広背筋を強く収縮させることができます。
また、脇が開かないようにしましょう。脇が開いてしまうと、広背筋ではなく肩に効いてしまいます。
筋肉痛の痛みや肉離れをした際の広背筋のストレッチ
背中に筋肉痛のような痛みがある場合、広背筋のストレッチを行うことで対処することができます。
次のような手順でストレッチを行ってみてください。
1.床に正座をする
2.両手を前方に伸ばしながら上体を前に倒す
3.床に額がつくくらい倒した状態で30秒キープする
4.正座した状態に戻り、両手を腰の後ろで組む
5.胸を張り、組んだ手を後方に上げ30秒キープする
6.正座した状態に戻り、左手が首の後ろにくるように左腕を上げる
7.右手で左肘を押さえながら上体を右側に倒し20秒キープする
8.反対側も同様に行う
キープしている間は、ゆっくり深呼吸をするようにしてください。
また、手順5では体を前傾させないようにしましょう。前傾させてしまうと、広背筋を十分にストレッチできません。
ストレッチでは決して無理をしないようにしてください。もし痛みが出た場合は中止することをおすすめします。
広背筋トレーニングの回数を過度に増やしたり強い負荷をかけたりすると、背骨とともに筋肉も収縮した状態になり、痛みが発生することがあります。この場合、背骨の隙間を広げることで背中の痛みを軽減するストレッチを行いましょう。
ストレッチは、次の手順で行ってください。
1.床に体育座りをし、足を広げた状態にする
2.足の内側から足の裏を手で持ち、背中を丸める
3.足を前に少し伸ばし背中を十分にストレッチする
4.深呼吸を繰り返す
深呼吸は、息を吸う際に背中をふくらませるように、吐く時はみぞおちを引き込むように背中を丸めるようにしましょう。
マシンを使った広背筋を鍛えるメニュー
ラットマシンを使用したトレーニング種目のラットプルダウンは、負荷を細かく設定しやすく、広背筋を効果的に鍛えることができます。
ラットプルダウンは次の手順で行ってください。
1.手幅を肩幅よりやや広めにしてグリップを握る
2.体重を利用してバーを下げ、体が浮かないように足を固定する
3.肩甲骨を寄せながら広背筋の力を使ってバーを下ろし元の位置に戻す動作を繰り返す
このトレーニングを10回2セットを目安に行ってください。
トレーニング初心者の場合、背中ではなく腕の力を使う傾向にあります。対処法としては、肩の力を抜いて肩甲骨を寄せ、肘でバーを下げるように意識するとよいでしょう。
また、肩をすくませたり必要以上に腰を反らせたりすると、広背筋に十分な刺激を与えることができないため注意してください。
マシンを使ったシーテッドローイングでは、広背筋に一定の負荷をかけ続けることができます。
トレーニング手順は次のようになります。
1.マシンに座り足をやや上の方に置きグリップを握る
2.上体を真っ直ぐに起こし体重をやや後ろにかける
3.腕を前に伸ばしてから肘を後ろに押すイメージで引く動作を繰り返す
このトレーニングを、10回2~3セット行いましょう。
肩が上がったり背中が丸まらないように注意してください。真っ直ぐ後ろに引くようにしましょう。
また、反動をつけると腰を痛める恐れがあります。反動をつけないとできないウエイトでは重すぎるため、筋力だけでできるウエイトに落として行いましょう。
広背筋の上部を鍛える方法
広背筋の上部を鍛えるためには、ラットプルダウンや懸垂などのプルダウン系の種目がおすすめです。
まず、ラットプルダウンでは次の手順で行いましょう。
1.手幅を肩幅の1.5~2倍にしてバーを順手で持つ
2.座る位置は腰がケーブルが垂れ下がっている部分の真下にくるようにする
3.バーを胸あたりに引いて戻す動作を繰り返す
次の懸垂の手順です。
1.ラットプルダウンと同様に、手幅を肩幅の1.5~2倍にして順手でバーを持つ
2.バーを胸に引きつけるように体を持ち上げて下ろす動作を繰り返す
懸垂では肩を下げることが重要です。肩を下げることで、広背筋の上部に強い刺激を与えられるためです。
また、あまり腰を反らせないようにしましょう。腰を反らせると、広背筋の下部に効いてしまいます。
広背筋上部をしっかり鍛えるためには、最低限の柔軟性が必要です。そのため、筋力トレーニングに加えストレッチで柔軟性を高めましょう。
まず、ゴムバンドを使ったストレッチ手順は次のようになります。
1.輪を作ったゴムバンドに親指をかけ胸の前で横に広げる
2.ゴムバンドを頭上から背中にまわすように両腕を後ろにまわす
3.頭上を通して両腕を元の位置に戻す
ストレッチ中は、できるだけゴムバンドを伸ばさないようにすることが大切です。
次に、ストレッチポールを使ったストレッチ法です。
1.ベンチにストレッチポールを縦に置いてその上に上体を乗せる
2.両腕を頭上に伸ばしたり足元に伸ばしたりする
3.両腕を胸の前に上げ肩を上げ下ろしする
4.ストレッチポールを横置きにして同様の動作を行う
ストレッチポールを横向きにした際は、肩甲骨のやや下にストレッチポールがくるようにしましょう。また、腕を左右に開くストレッチも効果的です。
最後に、道具を使わないで行うストレッチ法です。
1.うつ伏せの状態でベンチに両肘を当てる
2.上体を下げて胸椎を伸ばす
3.床にうつ伏せになり両手と両膝を床につける
4.背中の上を曲げる、肩甲骨を内転する・寄せるなどのストレッチを行う
広背筋の下部を鍛える方法
広背筋上部を鍛えるトレーニング種目のやり方を変えることで、広背筋の下部を鍛えることができます。
まず、ラットプルダウンは次のように行います。
1.手幅を肩幅より狭くしてバーを逆手で握る
2.シートのやや後方に座る
3.バーをみぞおちに向けて引いて元の位置に戻す動作を繰り返す
トレーニング中は、常に骨盤を前傾させるようにしましょう。そうすることで、広背筋の下部により効かせることができます。
次に懸垂の手順です。
1.バーを逆手で持つ
2.上半身を反らせながら、みぞおちをバーに近づけるように体を持ち上げ下ろす動作を繰り返す
懸垂では、膝を曲げて足を組むようにすると自然と骨盤が前傾します。その結果、広背筋の下部に集中して刺激を与えることができます。
ダンベルを使って広背筋下部を鍛えるためには、デッドリフトやベンチローイング、ワンハンドローイングなど、引く種目がおすすめです。
まず、デッドリフトの手順を説明します。
1.ダンベルを両手に持ち足幅を骨盤幅にする
2.上体をやや前傾させながらダンベルが床に付く直前まで上体を下ろす
デッドリフトは10回を目安に行いましょう。なお、トレーニング中は常に胸を張ることが重要です。
次に、ベンチローイングの手順です。
1.角度がついたインクラインベンチを用意する
2.両手にダンベルを持ちベンチにうつ伏せになる
3.両腕を伸ばした状態からヘソの方向にダンベルを引き上げる
このトレーニングを12回行ってください。
最後に、ワンハンドローイングの手順です。
1.ダンベルを左手に持つ
2.インクラインベンチのシートに右膝を付け背もたれの上部分を右手で支える
3.ダンベルを下ろした状態から腰の方向に引く
4.右側も同様に行う
ワンハンドローイングは10回行いましょう。なお、動きを大きくするとより効果的です。
腕立て伏せで広背筋は鍛えられる?
肩甲骨の動きを意識することで、腕立て伏せでも広背筋を鍛えられます。そのためには、次のような手順で腕立て伏せを行いましょう。
1.床にうつ伏せになり、手をお腹に近い方に置く
2.腕を伸ばした状態から、肩甲骨を寄せるように上体を下ろす
3.肩甲骨を開くように上体を上げる
ポイントは、肩甲骨をできるだけ大きく動かすことです。そうすることで、大胸筋だけでなく広背筋にも負荷をかける腕立て伏せができるでしょう。
上体を下ろした際は、肩甲骨が寄るように胸を張った状態にしてください。
上体を上げた際は、通常の腕立て伏せのように体を一直線にするのではなく、背中を丸めるようにすることが大切です。腰から背中、首にかけて弧を描くようにすると、肩甲骨が開いて広背筋に刺激を与えることができます。
背中を丸めづらい場合は、視線をつま先の方に向けるとよいでしょう。
体を大きく動かすことで広背筋を鍛える腕立て伏せの方法もあります。
次の手順で行いましょう。
1.床に四つん這いになる
2.手幅を肩幅程度に開き足を大きく開く
3.床を手のひらで引っ張るように肩を入れながら上体を後方に引く
4.広背筋を引っ張りながら上体を前方に沈める
5.肩甲骨を寄せた状態で前方の上方向に向かって上体を持ち上げる
6.手順3の状態に戻る
手順3では、両手は前方に伸び、足は横に大きく開いている状態になります。
また、頭を下げて視線は足元に向けましょう。この時、肩甲骨を開くようにすることが大切です。
通常の腕立て伏せは上体が上下するだけです。しかし、このトレーニングでは、横から見て上体が円を描くような腕立て伏せになります。
広背筋と大円筋を一緒に鍛える方法
大円筋は、背中側の脇の下、広背筋の上部にある筋肉です。大円筋を鍛えることで、脇周辺がすっきりして背中のラインをより綺麗に見せることができます。
ラットマシンを使ったラットプルダウンで、大円筋を効果的に鍛えましょう。
手順は次のとおりになります。
1.シートの前の方に座り、足を固定するパッドを太ももの付け根に当てる
2.手幅を肩幅より広めにとりバーを順手で握る
3.頭をやや前方に突き出し、バーを斜め後ろに引いて元の位置に戻す動作を繰り返す
大円筋に負荷をかけるためには、肩を固定すると効果的です。
また、深く下ろしすぎると負荷が逃げてしまう恐れがあります。そのため、耳の後ろまでバーを下ろすとよいでしょう。
なお、バーを下ろした位置で2~3秒止めると負荷が強くなります。
ダンベルやバーベルを使用して大円筋を鍛えましょう。
まず、ダンベルを使った大円筋に効かせるワンハンドローイングの手順を説明します。
1.軽めのダンベルを用意する
2.右手にダンベルを持ちフラットベンチに左手と左膝を付ける
3.上体が床と並行になるように前傾させる
4.ダンベルをみぞおちに向けて上げて下ろす動作を繰り返す
5.反対側も同様に行う
次に、バーベルを使用したプルオーバーです。バーベルはWバーと呼ばれる変形バーベルを使うとやりやすいでしょう。
1.バーベルを持ちベンチの上に仰向けになる
2.胸の上で両腕を伸ばし、頭上にバーベルを下ろして元の位置に戻す動作を繰り返す
大円筋に刺激を与えるためには、脇の下にある大円筋を意識して外側に向かってバーベルを上げると効果的です。内側にバーベルを上げると大胸筋に効いてしまうため注意しましょう。
広背筋の皮弁とは
皮弁とは、血流が存在する皮膚や皮下組織などを移植する手術のことを言います。その中で広背筋の皮弁は、広背筋の一部を他の部位に移植する方法です。
広背筋は、体中の様々な部位の欠損部分を再建するために用いられています。
広背筋が移植に向いている理由として、まず面積が大きく薄っぺらい構造をしているため使いやすいという特徴があります。
広背筋は一般的には多く使わない筋肉のため、発達していないことが多いです。広背筋をよく使う水泳選手などは、一般人よりも大きな背中を持っているのがわかるでしょう。
次に、広背筋による再建が行われた後でも、日常生活にはほとんど影響しないことが挙げられます。
スポーツに関してはパフォーマンス低下が見られるものの、普段の生活においては機能的な問題はほとんどありません。たとえば、可動域や筋力などでほとんど変化は見られません。
また、広背筋は腕を引きつける際に使われるだけでなく、単純に腕を動かす際にも使われます。
腕を動かすためには、肩関節も動員されます。この肩関節の可動域や肩関節筋力に関しても、広背筋による再建後はほとんど影響はありません。
このように、広背筋は上半身の多くの動作に関係しますが、背中にある他の筋肉と組み合わせることで、より強い力を生み出したり複雑な動きが可能になったりします。
たとえば、僧帽筋や菱形筋、脊柱起立筋などが背中にある筋肉です。広背筋のトレーニングでは、広背筋だけに効くわけでなく、これらの筋肉も使われるため、背中全体のボディメイクもできるでしょう。
また多くの筋肉を使う分、こりが発生しやすいため、ストレッチやマッサージを行って柔軟性を高めることも重要です。
広背筋にこりを感じたときのマッサージの方法
広背筋をマッサージすることで、筋肉のこりを解消させるだけでなく、腕の動きを良くしたり腰の痛みを軽減させたりする効果も期待できます。
まず、ボールを使って広背筋をマッサージする方法です。ラクロスボールやテニスボールを用意して、次の手順でマッサージを行いましょう。
1.右脇の下にボールを当てる
2.台に上腕を乗せるように、右肘とボールを台に当て腕に体重をかける
3.3~5回ゆっくり深呼吸する
4.左腕も同様に行う
広背筋は背中側にある筋肉のため、筋肉のこりを解消するためにはボールを脇の後ろ側に当てるようにしましょう。
また、広背筋の前側には多くの神経や血管が通っています。そのため、ボールが前に移動しないように注意してください。
もし、しびれを感じた場合はマッサージを中断してください。
次に、指を使って広背筋を緩める方法です。
1.左の人差し指と中指を右の脇の下に当てて圧をかける
2.右腕を前に5回、後ろに5回まわす
3.右腕を上げて左手で右手首をつかむ
4.左手で右腕を引っ張りながら上体を左に倒して30秒キープし、広背筋の右側をストレッチする
5.反対側も同様に行う
ポイントは、指で押さえる場所と強さです。
広背筋をしっかりほぐすためには、脇の下からやや後方にある腕の付け根を指で押さえることが大切です。そして、指を当てるだけではなく強めに押し付けて圧力をかけ続けるようにしましょう。
指で押さえて腕をまわすだけでも広背筋は緩みます。しかし、その後手順3~4のようにストレッチをすることで、より効果的に広背筋をほぐすことができます。
まとめ
広背筋は、背中のラインを整え、後ろ姿を綺麗に見せるための大切な筋肉です。しかし、広背筋は腕の付け根から腰まで広がっている大きな筋肉のため、効果的に鍛えるためには強めの負荷をかける必要があります。
そのため、自分の体重を利用したトレーニングだけでなく、ジムにあるマシンやウエイトを使用すると効率的でしょう。また、ストレッチやマッサージなどを行うことで広背筋の柔軟性がアップするため、トレーニング効果が高まります。
広背筋に対し、このような複合的なアプローチをすることで、すっきりとした背中のラインを作ることができるでしょう。
今回説明してきた広背筋のトレーニングやマッサージ方法などはいかがでしたか?周りに「もっと綺麗な背中を手に入れたい」と思っている方がいましたら、ぜひシェアをお願いします。