近年流行している糖質制限ダイエットにより、「炭水化物(糖質)は良くない」という印象が強くなり、結果として私たちの主食である米が敬遠されがちです。しかしダイエット中でも玄米は食べてもよいと言われています。なぜ玄米は良いとされているのでしょうか。玄米と食べ慣れている白米とは何が違うのでしょうか。
今回は玄米について、玄米を取り入れたダイエットについて詳しく解説していきます。
目次
玄米ダイエットとは?
玄米ダイエットとは主食を白米やパンから玄米に置き換える方法です。1日1食からでも可能なので始めやすいダイエット方法です。
玄米と白米の違い
玄米と白米は同じ米ですが、米の精製度が違います。玄米とは収穫した稲のもみ殼だけを取り除いたものを呼びます。白米は玄米から果皮・糊粉層・胚芽を取り除き、胚乳だけを残したものになります。
玄米から白米に精製する際に取り除かれる果皮・糊粉層・胚芽の部分に多くの栄養素が含まれています。同じ量で栄養価を比較すると白米より玄米の方が優れていると言われているのはそのためです。
玄米ダイエットの痩せ効果とは?本当に痩せる?
便通を良くする
玄米は白米と比べて食物繊維を豊富に含んでいます。食物繊維は「水溶性」と「不溶性」があり、特に便通をよくする効果が高いのが不溶性食物繊維です。腸内で水分を吸収して膨らみ、腸内の運動を活発にして排便を促します。便秘により腸内に便が溜まった状態だと血行不良となり新陳代謝が悪くなってしまいます。不溶性食物繊維の摂取により便通をよくすることがダイエットにつながるのです。
食欲を抑えてくれる
玄米は食べ過ぎを抑えてくれる効果があり、これにも食物繊維が関係しています。不溶性食物繊維は、繊維質でよく噛んで食べる必要があるので、噛むことにより満腹中枢を刺激され食欲を抑えてくれます。
また、水溶性食物繊維には粘着性があり、胃内での滞留時間が長くなり満腹感を与えてくれるのです。
代謝を促進する
玄米には白米と比べてビタミンB群も多く含まれています。ビタミンB群は主に新陳代謝を活発にする働きがあります。
それぞれの具体的な働きについて、ビタミンB1は糖質の代謝、ビタミンB2は脂質の代謝、ビタミンB6はタンパク質の代謝を助けてくれます。その他にもビオチンは脂肪酸の代謝、パントテン酸はコレステロールのバランスを保つ役割、ナイアシンは三大栄養素の代謝、葉酸は細胞の再生や赤血球の形成などがあります。
ビタミンB群はエネルギーを作り出すために必要な栄養素であり、代謝を促進させて血流を良くしてくれます。
玄米のダイエット以外の効果とは?
血糖値の上昇を緩やかにする
玄米に含まれる食物繊維でも主に「水溶性食物繊維」は血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。水溶性食物繊維は水分を取り込みやすいため、膨らんで胃腸内をゆっくりと移動します。食塊の消化吸収がゆっくりとされるため血糖値の上昇を抑えられ、インスリンの分泌量を減ります。インスリンは血糖を下げてくれますが、同時に余分な糖分を細胞に溜め込む働きもあり、この働きが過剰になることで細胞が肥大化し、太ることに繋がります。肥満を防ぐには血糖値のコントロールが上手くできていることが必要であり、食物繊維はそれをサポートしてくれるのです。
コレステロールの吸収を抑える
水溶性食物繊維は他にもコレステロール値の吸収を抑える働きがあります。コレステロールが多いと細胞に余分なコレステロールを溜め込んだり、血流を悪くして動脈硬化に繋がる恐れがあります。水溶性食物繊維がコレステロールの吸収を抑えることで、細胞の肥大化や血流悪化により新陳代謝が悪くなることを防いでくれるのです。
肌を健康に保つ
玄米には食物繊維の他にもたくさんのビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
エネルギー代謝を促したり、身体の酸化を防止して細胞の老化を抑えれたりと様々です。
ビタミンやミネラルが不足してしまうと代謝が悪く、血行不良になってしまいます。
結果として肌の再構成や酸化防止ができず、免疫力の低下してしまうため健康な肌を保つことができなくなります。
玄米ダイエットのやり方とは?
玄米を置き換える頻度
玄米ダイエットは主食を白米やパンから玄米にする「置き換えダイエット」です。頻度は1日1食からでOK。玄米には独特な香りや食感があり、白米で食べ慣れている方には少し抵抗があるかと思います。1日1食から徐々に始めて、慣れてきたら1日2食、3食と増やしていくと良いでしょう。
玄米の量
玄米は白米に比べて、食物繊維やビタミン、ミネラルの含有量が多いのですが、カロリーはあまり変わりません。量についてはいつも食べている白米と同じ量にしましょう。
具体的な量は1食につきお茶椀1杯(150g)ほどとなります。
食べにくい場合は白米と混ぜる
玄米を食事に取り入れたいが、香りや食感が苦手という方は白米と玄米を混ぜると食べやすくなります。
玄米ダイエットのメリットは?
食事量の制限をしない
玄米ダイエットは主食を置き換える方法ですので、それ以外の食事制限はありません。極端な食事制限は身体に負荷がかかり、体内のエネルギー代謝効率を下げたり、ビタミンやミネラル不足で代謝や肌の調子を悪くなったりしてしまいます。そういったデメリットがないため、長く続けやすいダイエットとなります。
低GI食品である
GI値とはグライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略であり、食品に含まれる糖質の吸収度合いであり、摂取2時間までの血液中の糖濃度を測定したものです。GI値が低いと食後の血糖値の上昇が緩やかになり、結果として身体に脂肪が付きにくくなります。
カロリーが同じ場合でも食品によりGI値は異なります。GI値が70以上の食品を高GI食品、56~69の食品を中GI食品、55以下の食品を低GI食品と定義されています。
白米のGI値は90程なのに比べて玄米は約55とかなり低い数値となっていますので、玄米の方がダイエットには有効な食品であると言えるでしょう。
美味しく痩せるための玄米ダイエットレシピとは?
1.生姜入りの玄米ご飯
玄米は白米と違い独特の臭みがあります。それが気になる方は臭み消しとして生姜を入れて炊くと食べやすくなります。
材料:生姜2〜3片、玄米1合、昆布(10cm角)1枚
酒大さじ1、みりん小さじ1、塩小さじ1/2、しょうゆ小さじ1
下準備:玄米は水洗いし、ざるにあげる。
作り方:
生姜は皮を剥き、千切りにする。
炊飯器に玄米、調味料を加え通常の水加減をして、生姜を加え軽く混ぜ合わせる。
昆布を上にのせて炊く。炊き上がったら昆布をとり、10〜15分蒸らす。
2.鮭の玄米チャーハン
材料:玄米茶碗1杯分、鮭フレーク大さじ3、卵1個、大葉5枚
塩・コショウ少々、しょうゆ小さじ1、油大さじ1
作り方:
大葉は細かく切る。卵をときほぐす。
フライパンを熱して油を敷く。弱火にし、卵を入れ、玄米を卵の上に入れて、パラパラ状態にする。
鮭フレークを加えて、しょうゆ、塩・コショウを入れて味をととのえる。
火を止めて、最後に大葉を加えて混ぜ合わせる。
3.玄米と野菜のスープ
主食で食べにくいという方は、スープの具として使用すると食べやすくなります。
材料:玄米(普通に炊ける玄米)大4、玉ねぎ1/2個、セロリ1/4本、ニンニク1片、
グリーンアスパラ2~3本、プチトマト6個
固形スープの素2個、水1000ml、塩・こしょう少々、オリーブ油大2
下準備:
玄米は水洗いして、ザルに上げておく。
玉ねぎはみじん切りにする。セロリは筋をとり、みじん切りにする。ニンニクは縦半分に切って芽を取り、みじん切りにする。
グリーンアスパラはピーラー等でかたい皮とはかまを落とし、水洗いして1~1.5cm幅に切る。
プチトマトは水洗いし、ヘタを取って4等分に切る。
作り方:
鍋にオリーブ油、ニンニクを入れて中火にかける。香りが立ってきたら玉ねぎ、セロリ、プチトマトを加え、全体にしんなりするまで炒める。さらに玄米を加えて炒めていく。
全体が混ざって油が回れば、固形スープの素と水を加えて強火にする。煮立てば火を弱め、アクをとりながら20分ほど煮る。塩・こしょうで味をととのえ、最後にグリーンアスパラを加えて1分煮る。
玄米ダイエットの注意点とデメリット
玄米ダイエットの注意点
玄米ダイエットの注意点として、白米と玄米はカロリーがほとんど変わらないということです。玄米は白米に比べて栄養価が高い食品です。しかし、カロリー量に違いがないので食べ過ぎれば体重が増えてしまいます。体重を落とすには消費エネルギー量が摂取エネルギー量と同等かそれ以上でなくてはいけません。適切な量を守って食べるようにしましょう。
また玄米は白米に比べて、消化率が低いのでよく噛んで食べる必要があります。1口で30回程度噛むことが理想とされています。よく噛むことで消化されやすく、栄養素も吸収されやすくなります。また噛むことで満腹感を得やすくなります。
玄米ダイエットのデメリット
玄米にはフィチン酸という成分が含まれていますが、この成分は金属イオンと強く結びつく性質があります。体内に必要な必須ミネラルである亜鉛や鉄分、マグネシウム、カルシウムと結びつき吸収を妨げてしまい、そのまま体外へと排出されてしまうリスクがあります。
バランスの良い食事を取れていれば、それほど影響はないとされていますが、貧血の症状や血中のミネラルが少ない状態が続いたりする方も稀にいるそうです。
また白米に比べて食物繊維が豊富ですので、胃腸が弱い人は過剰に反応を起こしてお腹の調子が悪くなる方もいるそうです。白米から玄米への置き換えは少量から始めていき、少しでも不調があれば医師と相談してください。
白米と比較したときのカロリー、ダイエット効果の違いとは?
白米と玄米の栄養成分表
ここでは、玄米と白米の成分比較(炊いたご飯100gあたり)を見ていきましょう。
玄米 | 白米 | |
---|---|---|
エネルギー | 165kcal | 168kcal |
糖質 | 34.2g | 36.8g |
タンパク質 | 2.8g | 2.5g |
脂質 | 1.0g | 0.3g |
カリウム | 95mg | 29mg |
マグネシウム | 49mg | 7mg |
鉄 | 0.6mg | 0.1mg |
ビタミンB1 | 0.16mg | 0.02mg |
ビタミンB6 | 0.21mg | 0.02mg |
ナイアシン | 2.9mg | 0.2mg |
食物繊維 | 1.4g | 0.3g |
出典:五訂増補日本食品標準成分表
白米と玄米の栄養価比較
1食あたりお茶碗一杯(150g)を1日3食を食べているとして、白米から玄米に置き換えるとカロリーは約14kcal低くなりますがほとんど差はありません。しかしその他の成分を比較していくと、カリウムは3倍、マグネシウムは7倍、鉄は6倍も玄米のほうが多く含まれています。
ビタミン類でも玄米のほうが多く、ビタミンB1は8倍、ビタミンB6は10倍、ナイアシンは14倍も多くなっています。また玄米は食物繊維が白米の4倍以上と多いので、同じご飯量でも得られる満腹感が違うので玄米の方がダイエットに向いているといえるでしょう。
玄米ダイエットの口コミ・体験談・実践者の声
炊飯器で上手に美味しく
炊けました🍚🥢🍚🥢🍚🥢#玄米 #玄米ごはん #玄米ダイエット #玄米デビュー pic.twitter.com/9rMfkgDrYs— 𝕞𝕚𝕚@ダイエット継続中 (@Fam12T) 2019年4月4日
玄米ダイエットを実践して成功した方々の意見として、
・減量に成功した
・便秘が解消された
・噛む回数が増えた
などが挙げられていました。玄米の置き換え頻度には3食玄米に置き換えたり、白米と玄米を混ぜて食べていたなど個人差があります。多かった意見として噛む回数が増えたので満足感が得やすくなった、噛む事を意識して食べる事で食事を見直す事が出来たなどがありました。咀嚼により満腹中枢が刺激される事や食事に集中する事でながら喰いしなくなり、結果過食を防止できたのではと思います。
玄米ダイエットを途中で断念した方々の意見は、
・ぼそぼそで食感が嫌いでやめた
・お腹の調子が悪くなった
などが挙げられています。確かに白米に比べて、ぼそぼそとしており独特の食感や香りがあるので苦手な方もいらっしゃいます。全部玄米にせずに白米を混ぜたり、炊く前に浸水時間を長めにする、塩をいれて炊くなど工夫が必要だと思います。また、食物繊維が多いので胃腸が弱い方には厳しいのかもしれません。自分の体調や体質などをチェックしながら、行う事が大事です。
玄米ダイエットおすすめブログ
おすすめブログ1.楽野由乃ブログ
管理者らくのゆのさんが、シンプルな生活について書いているブログです。
スッキリ暮らすための知恵や日々が綴られていますが、玄米食について書かれていた記事があったのでご紹介します。この方は減量については書かれていませんが、1週間玄米食に変えて変化を感じたそうです。甘いものを欲しがらなくなったり、空腹感がなくなったり、便秘が解消されたりとダイエットにつながる良い変化があったそうです。
食事とともに生活を見直したいという方はぜひご覧になってください。
おすすめブログ2.玄米ダイエット日記ブログ
管理者ゲンマイさんが、健康のために食べ始めた玄米で減量に成功した内容が書かれています。ダイエット内容は玄米を食べる事、朝食を抜いて1日2食といったものです。
白米から玄米に置き換えるダイエットによって、よく噛むようになりで食べ過ぎを抑えたり、便通がよくなったとのこと。3ヶ月で5kg減量し、半年で10kg減量に成功したようです。実践した玄米ダイエット内容について詳しく書かれています。
玄米ダイエットを実践した芸能人は?
石原さとみ
女優の石原さとみさんも食事に玄米を取り入れているそうです。小豆や塩入れて炊いた玄米を炊飯器で3日ほど寝かせてできる「酵素玄米」は手間がかかるもののもちもちとしており、通常の玄米よりも食べやすくて美味しいと評判です。玄米と酵素の力で腸内の環境をより良く整えてくれるのだとか。石原さとみさんはできるだけ自炊を心がけたり、30回以上咀嚼するなど美容や健康にとても気をつけているようです。
トリンドル玲奈
透明感のある白い肌や可愛らしい顔が魅力的なハーフモデルのトリンドル玲奈さん。
そんなトリンドル玲奈さんも玄米ダイエットを実践しているそうです。特に「酵素玄米」を食べており、仕事や撮影の現場には酵素玄米おにぎりを持参しているのだとか。
まとめ
いかがでしょうか。
玄米は白米と比べて食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富で、便秘の改善や代謝のサポートをするなど大事な働きをもつ食材です。
しかし、必ずしもこれだけ食べていれば痩せるとはいえません。バランスの良い食事、適度な運動もダイエットには必要です。
食事に上手く玄米をを取り入れても無理をせずに、楽しくダイエットを行ってください。
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